“离婚喜剧”:在众多春季恋爱喜剧中反其道而行的理由是?
作者:Shiro译
2021-06-25 06:15
4月期の連続ドラマが続々とスタートした。春らしい王道のラブコメが出揃う中、今春は真逆の「離婚」をテーマにしたドラマが2本放送されている。しかも、中身はコメディ。なぜ、この春に“離婚コメディ”があえて選ばれたのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
4月的新剧陆续开播了。在集结了如春天般温暖的主流恋爱喜剧中,今春却播出了两部以“离婚”为主题的剑走偏锋的剧集。并且实质还是喜剧内容。为什么会在这个春天专门选择“离婚喜剧”呢?由剧评及电视评论员木村隆志为大家解说。
もともと春の連ドラには明るいムードの作品が多く、重苦しいムードが続くコロナ禍の今年はなおのこと。実際、今春は『着飾る恋には理由があって』(TBS系)、『恋はDeepに』(日本テレビ系)、『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)などの明るいムードを感じさせるラブコメがそろった。
向来春季日剧主打轻快明朗的作品居多,尤其今年因疫情而持续处于压抑沉重的气氛中。事实上,今春的《盛装恋爱有理由》(TBS电视台)、《深深地恋爱》(日本电视台)、《恋爱漫画家》(富士电视台)等都是些能够让人感到心情愉快的恋爱喜剧。
しかし、気になるのは、陽気な春にふさわしいとは思えない「離婚」をテーマにしたドラマが2作放送されていること。『リコカツ』(TBS系)は“交際ゼロ日婚”をした夫婦が離婚に向けた活動をはじめる物語、『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ・フジテレビ系)は3度の結婚・離婚をした主人公が3人の元夫たちに振り回されながらも幸せを探そうとする物語と、どちらも離婚を軸に据えたオリジナル作だ。
但令人在意的是,有两部与明媚的春日完全不符,以“离婚”为主题的电视剧正在播出。《离婚活动》(TBS电视台)是讲述一对“零交往闪婚”的夫妇面向离婚展开活动的故事,《大豆田永久子与三名前夫》(关西电视台・富士电视台)讲述了三次结婚又离婚的主人公,即使被三个前夫呼来喝去也要寻找幸福的故事,两部剧都是以离婚为主线而展开的原创剧作。
冒頭に挙げた3作が恋のときめきを散りばめた明るいラブコメである一方、『リコカツ』と『大豆田とわ子』は離婚を扱うためシビアなシーンは避けられない。また、それにもかかわらず離婚を扱う両作がコメディとして放送されていることに驚かされてしまう。
开头列举的三部爱情剧是充满恋爱心跳的、明朗的浪漫喜剧,而《离婚活动》和《大豆田永久子与三名前夫》则为了处理离婚问题而无法避免出现严肃场面的桥段。另外,尽管如此,处理离婚的两部作品却作为喜剧播出,真是让人吃惊。
なぜ『リコカツ』と『大豆田とわ子』は、あえてネガティブな離婚というテーマを選び、その上でコメディとして放送されているのか。
为什么《离婚活动》和《大豆田永久子与三名前夫》,反其道而行之选择了离婚这样消极的主题,还以此为基础改编成喜剧作品播出呢?
「離婚は普通」として描かれるべき時代
应该去描绘“离婚是普遍”的时代
『リコカツ』の植田博樹、吉藤芽衣、両プロデューサーは、同作を「離婚を契機に本当の恋愛が始まる」「一風変わった、でも本格的な大人のラブストーリー」「離婚するかもエンターテインメント」などと紹介している。最も描きたいのは離婚ではなく、大人世代のラブストーリー。離婚という最悪の状況から物語をはじめることで、ハッピーエンドへの振り幅を広げているのではないか。
《离婚活动》的两名制作人植田博数、吉藤芽衣,都是以“离婚是真正恋爱开始的契机”“虽然风格完全改变了,但是这才是真正的成人的恋爱故事”“离婚的可能性所制造的娱乐效果”等来介绍两部作品。最想要描绘的并不是离婚,而是成人世代的恋爱故事。从离婚这个最糟糕的情况为开端的故事,到喜剧收尾的创作空间很宽广不是吗?
一方、『大豆田とわ子』の佐野亜裕美プロデューサーは、「3回結婚して3回離婚した主人公・とわ子。三者三様の魅力や欠点をもつ元夫たち。そんな愛すべきダメな4人を中心に、愉快な大人たちがゆるやかに連帯していくさまを楽しんで観ていただける物語になると思います」とコメント。とかく離婚後は憎み合うなどのネガティブなイメージを抱きがちだが、当作では「当事者たちが連帯する」というポジティブな様子を描こうとしているのだ。
另一方面,《大豆田永久子与三名前夫》的制作人佐野裕美评论道:“结婚三次又离婚三次的主人公永久子。三个有着各自的魅力和缺点的前夫们。我认为这是一个以让人喜爱的废柴4人为中心,让愉快的大人们轻松地融为一体的故事。”离婚后总是容易产生互相憎恨等消极的印象,但本作却描绘了“当事人团结在一起”这样积极的样子。
両作ともに、「離婚をよくある普通のこと」として扱おうとしている様子がわかるのではないか。大半の作品は未婚か既婚の男女をどこにでもある普通のこととして描いているが、今や離婚もそれと同様に描かれるべき時代ということなのだろう。
从这两部作品中可以看出,他们都“把离婚当作一件很普通的事情”来对待。大部分的作品都把未婚或已婚的男女描写成随处可见的普通事情,但现在离婚也应该是与此做同样描写的时代了吧。
引いては、近年のドラマ業界で進む「個人の尊重」「多様な生き方の受容」を意識したコンセプトの作品にも見えてくる。たとえば、かつて取り扱い要注意とされていたLGBTを最近では普通のこととして採り入れているが、「離婚も同じ感覚で普通のこととして描こう」という意識が感じられるのだ。
甚至,近年来随着影视行业的发展,会看到以“尊重个体”“接纳多元化生存方式”的意识为概念的作品。比如说,以前要特别注意LGBT的题材最近也普遍用到剧中,从而产生出“离婚也以同样的感觉去描写成普通故事吧”这样的意识。
どちらの作品もオリジナルであり、『リコカツ』は北川景子と永山瑛太のコンビを実現させるために数年の時間がかかったこと、『大豆田とわ子』は脚本家・坂元裕二の3年ぶり連ドラ復帰作であることから、“独創性の高い力作”というムードが漂っている。だからこそ王道のラブコメではなく、あえて野心的に離婚というテーマを選んだのではないか。
两部作品都属于原创,《离婚活动》的团队为了实现北川景子搭档永山瑛太出演花费了很多年的时间,《大豆田永久子与三名前夫》是编剧坂元裕二时隔三年回归电视剧的作品,洋溢着“独创性极高的力作”的气氛。正因为如此,才没有选择主流的恋爱喜剧,而是选择了野心十足的离婚这个主题吧。
タイトルからにじむ軽さとコミカル
从剧名里渗透出来的轻快和喜剧感
あえてコメディとして放送しているのは、シリアスなタッチで離婚を描くと重くなりすぎるからであり、そこにコロナ禍の深刻さが加わってしまうからだろう。実際、『リコカツ』に出演している永山瑛太が2013年に主演を務めた『最高の離婚』(フジテレビ系)も、シリアス一辺倒になることを避けるように、コメディタッチで描かれていた。
专门做成喜剧类播出,是因为以严肃地笔触描写离婚会显得太过沉重,可能会加剧疫情所带来的苦痛吧。事实上,出演《离婚活动》的永山瑛太,在2013年主演的《最完美的离婚》(富士电视台)也是同样的手法,尽量避免话题的严肃性,以喜剧的手法来描绘的。
また、離婚を特別なこととしてシリアスに描かず、普通のこととして扱うための工夫がタイトルからもうかがえる。『離婚活動』『離活』ではなく、ポップな印象のあるカタカナで『リコカツ』という表記を使い、脱力感を抱かせる『大豆田とわ子』という名前が採用されたのは、視聴者に軽さやコミカルな印象を持たせるためだろう。
另外,离婚这种特殊题材不仅需要避免其严肃性,为了做成普通题材在取剧名上面也要下功夫。不是写成《离婚活动》《离活》,而是用大众流行的片假名《リコカツ》(rikokatsu)来表示,另一个采用脱力感(日常又带着荒诞性的)十足的《大豆田永久子与三名前夫》这样的剧名,是想要给观众带来轻松和搞笑的印象吧。
コロナ禍の重苦しいムードが続く中、リアリティばかりを追求していては視聴者の心をつかむことはできない。だからこそ両作とも、笑いを交えたエンターテインメントとして物語を進め、最終話では「登場人物たちがすっきりとした気持ちで前に進んでいく」というポジティブな結末が予想できる。
受疫情影响持续处在压抑沉重的氛围中,一味追求刻画真实性是没有办法吸引住观众的。正因如此,两部作品都是以交织着欢声笑语的娱乐方式来推进故事,可以预想到在最终话中“登场人物们将以轻松释怀的心情向前迈进”这样积极的结局。
つまり、スタートの時点では「離婚」に伴うシリアスなイメージがあったものの、「終わってみたらコミカルでポジティブなドラマだった」と思わせてくれるのではないか。その意味で視聴者サイドにしてみたら、「他のラブコメと同様に安心して見続けられるドラマ」と言い切ってもいいだろう。
也就是说,虽然在开始的时候伴随着“离婚”给人一种严肃的印象,但“结束后才发现这是一部既搞笑又积极的电视剧”。按照这个意义来说,从观众的角度来看,也可以说是“和其他爱情喜剧一样可以安心看下去的电视剧”吧。
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