日本ゴールドディスク大賞で嵐が5回目の売上日本一

日本金唱片大奖 第五次获得销量日本第一

今年度も、日本レコード協会が主催する「日本ゴールドディスク大賞」の受賞者が発表された。その「大賞」とも言うべき「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのは邦楽が嵐、そして洋楽はアリアナ・グランデだった。嵐は3年連続、5回目の受賞になる。

今年的“日本金唱片大奖”也是由日本唱片协会主办并公布获奖者。而获得“Artist of the Year”大奖的,分别是代表日本传统音乐的岚,西洋音乐方面则则是Ariana Grande。岚已连续三年,第五次获得该奖。

この「ゴールドディスク大賞」は、日本レコード協会が〝日本版グラミー賞〟として87年に創設した。現在は毎月「ミリオンディスク」や「プラチナディスク」といった「認定作品」として一般にも公表し続けている。

这项“金唱片大奖”在1987年被日本唱片协会作为日本版的格莱美奖而设立。现在每个月都会将“百万销量唱片”和“白金唱片”作为“认定作品”公布于世。

筆者が、この業界に足を踏み入れた頃というのは、とにかく〝体感〟できる「大衆」があった。

笔者在刚踏入业界的时候,总能切身感受到它的“大众化”。

その年の新人歌手にも関心が高かった。大手プロダクションとレコード会社は、決まって「大型新人」を出したものだ。渡辺プロ、芸映、サンミュージック、バーニング。他にも廣済堂(後の長良プロ)や第一プロなど大手プロは鼻息が荒かった。発表会には音楽関係者が殺到、ワイドショーも芸能レポーターが競って囲み取材をしていた。レコード会社や所属事務所には〝名物宣伝マン〟という存在が必ずいてマスコミを仕切った。

每年得奖的新人歌手也十分受关注。大型制作公司和唱片公司,会瞄准这一奖项推出“瞩目新人”。渡边制作、艺映、SunMusic、Burning,还有广济堂(后为长良制作)及第一制作等大型演艺公司都势在必得。发表会上,音乐相关人士蜂拥而至,情报节目、艺能报导者竞相采访。唱片公司和所属事务所一定会启用得力宣传人员来应对媒体。

そういったムードに応えるかのようにテレビも「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ)、「NHK歌謡ホール」(NHK)、「歌のトップテン」(日本テレビ)、「ザ・ベストテン」(TBS)、「レッツゴーヤング」(NHK)…とにかく連日、歌謡番組が放送されていた。もちろん、テレビばかりではない。ラジオも電話リクエスト番組やベストテン番組が人気だった。テレビに出演しないニューミュージック系のアーティストは深夜番組に出演し次々にヒット曲を生んできた。

为了应对热潮,电视也会连日播出歌曲类节目,如“夜晚的热血之声”(富士台)、“NHK歌谣大厅”(NHK)、“热歌TOP10”(日本台)、“The Best10”(TBS)、“Let's go Young”(NHK)等。当然,也不仅限于电视,之声、电话点播节目、Best10节目也很有人气。没上过电视的新音乐人在深夜节目中的出演,也带火了一波又一波的歌曲。

例えば82年の新人を見ると。業界内では〝花の82年組〟と言われているが、小泉今日子、中森明菜、早見優、松本伊代、堀ちえみ、石川秀美…とにかく、グループではなくピンの女性アイドルも次から次へと生まれた。

例如,回看1982年的新人,业内称为“花之82年组”,小泉今日子、中森明菜、早见优、松本伊代、堀千惠美、石川秀美等等,总而言之,并不是团体而是作为单独的女性偶像接二连三地诞生。

秋から年末になると音楽祭が集中する。TBSには日本作曲家協会と組んだ「輝く!日本レコード大賞」があったが、ライバルの日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日、そしてテレビ東京などは放送音楽プロデューサー連盟主催の「日本歌謡大賞」を順番に催し、さらにフジテレビは「FNS歌謡祭音楽大賞」を開催していた。ラジオ局も負けてない。文化放送は「新宿音楽祭」、ニッポン放送は「銀座音楽祭」、RFラジオ日本も「横浜音楽祭」を主催していた。

从秋季开始到年末,音乐盛典就汇聚一堂。TBS与日本作曲家协会联合推出“星光闪耀!日本唱片大奖”,而对手日本台、富士台、朝日台,还有东京台等也会依次播出由制片人联盟主办的“日本歌谣大赛”,而富士台更是推出了“FNS歌谣祭音乐大奖”的节目。之声也毫不示弱。文化之声举办“新宿音乐祭”、日本之声推出“银座音乐祭”,连RF日本之声也办起了“横滨音乐祭”。

他にも「世界歌謡祭」があったり「有線放送大賞」「日本作詩大賞」…。それこそ、数えたらキリがないほどあり、それこそ演歌歌手からアイドル歌手までテレビ局やラジオ局を移動していた。

其他还有“世界歌谣祭”、“有限之声大奖”、“日本作曲大奖”等等。简直不胜枚举,才令从演歌歌手到偶像歌手全都不断周旋在之声、电视台之间。

歌手としての醍醐味は12月31日の大晦日だった。「日本レコード大賞」が行われていた東京・北の丸の日本武道館から東京・渋谷のNHKホールまでの車移動は、その年の歌謡界を制した〝王者〟しか味わえない快感だった違いない。大賞受賞者は、授賞式を終えるとパトカー先導で僅か10分。NHKホールに移動しオープニングに出演…。歌手も移動すれば、各スポーツ紙の芸能記者もハイヤーなどで追いかけるように移動していた。今振り返っても凄かった気がする。

不过,作为歌手最大的荣耀还是12月31日的大年夜。从举办“日本唱片大奖”的东京北丸日本武道馆乘车去往东京涩谷NHK大厅,也是非霸占当年歌谣界的“王者”所无法体验的乐趣。大奖的获奖者在颁奖仪式结束后,用警车开道仅10分钟,即可到到NHK大厅进行开场演出。而一旦歌手在转移,那么各家报纸的娱乐记者、包租车也会追着一起转移。现在回想起来也是盛况空前啊。

「そんな時代もあった」と言ってしまうのか?それとも「古き良き時代」だったのか。ただ、良くも悪くも音楽業界全体が活気に満ち溢れていた。

一不留神是不是就说“还有这样的时代存在”啊,也算是“旧时光辉”吧。不过,好也罢坏也罢,当时的音乐界的确上上下下都充满了活力。

音楽番組が消えて行った「平成」

音乐节目消失殆尽的“平成”年代

一変したのは「平成」に入ってからだろう。テレビから音楽番組が一つ消え、また一つ…音楽賞も「その使命を果たしたと」と終了していった。

发生改变,是在进入了“平成”年代的时候吧。音乐节目一个接一个地从电视台消失……音乐奖项也在“完成了它的使命”后退隐。

確かに「ミュージックステーション」(テレビ朝日)のように、今では〝長寿歌謡番組〟になっているのもあるにはあるが、純粋にレギュラーで放送している歌謡番組は、数えるほどとなってしまった。特番で長時間の音楽番組が編成されるぐらいだろう。

的确,虽然像“Music Station”(朝日电视台) 那样的长寿歌谣节目仍然还出现在观众眼前,但纯粹以音乐为主的常规节目,掰着手指头就数没了。也就剩一些用长时间的音乐节目编辑而成的特别节目了吧。

「平成」になると音楽業界は音楽制作会社「ビーンイング」の長戸大幸氏、TMネットワークの小室哲哉氏、それに作詞家の秋元康氏によるプロデューサー時代へと変貌していった。「踊るポンポコリン」のヒットを機に90年代初期は、B’zやZARD、大黒摩季、WANDSなどをプロデュースした長戸氏が活躍し「ヒットの要素はカラオケ、ドラマ主題歌、大幸で〝KDD〟だ!」なんて言われたものだ。

到了“平成”年代,音乐界内音乐制作公司“Being”的长户大幸、TM net work的小室哲哉,还有作词家秋元康都转身成为了制作人。90年代初期以“跳舞ponponkori”为大热契机,打造出B’z、ZARD、大黑摩季、WANDS等艺人的长户活跃在第一线,甚至被人笑称“走红的要素是KDD,K(カラオケ|卡拉ok)D(ドラマ主題歌|电视剧主题曲)D(大幸)。”

アナログのレコードからCDになると異変が起こった。何とアルバムにメガヒットが次々に生まれるようになった。もっともシングルでは子門真人の「およげたいやきくん」(75年)の記録(推定480万枚)は破られてはいないものの、宇多田ヒカルがアルバム「First Love」(99年)で850万枚も売り上げて以来、一気にアルバムのセールスが急増した。

从集成唱片发展到CD时有了异常的变化。专辑的出现使得大热佳作连连,虽然没有打破子门真人的《およげたいやきくん》(75年)单曲最高记录(推测为480万张),但自从宇多田光的专辑《First Love》(99年)的销量达到850万张以来,专辑的销量一下子剧增。

それにしても、アルバムで記録的なメガヒットが生まれるのに、何故かレコード産業は深刻さを増していった。と言うのは、ピークだった98年当時、5000億円以上あったレコード産業の売上は今や半分の2500億円にまで落ち込んでいるのである。そう言えば「CDセールの低迷」なんて言葉も聞き慣れた。かつては「不況に強い」と言われ続けた産業だったのに。しかし、これが世界第2位と言われる日本のレコード産業の現実である。

即便如此,在专辑刷新销量记录的同时,却不知为何加重了唱片产业的问题。在走上顶峰的98年,唱片销量超过5000亿日元,而如今,已下降到一半2500亿日元的销量。如此说来,“CD销量低迷”这一词也是如雷贯耳了。过去曾被誉为“在不景气的经济情况下长盛不衰”的唱片业,却也是如今名列世界第二的日本唱片产业的现状。

何が原因か?結局は、ヒット曲の一極集中化ということだろう。かつて、テレビやラジオからは音楽番組が連日放送され、秋口から年の瀬になると、今度は「音楽賞」で各局を駆け回る…そんな光景がなくなってしまった今、レコード産業を活気づける要素は何があるんだろうと思う。かつては、富士の裾野のように広かったが、その裾野が地震で陥没してしまったかのようだ。ヒットチャートを見ても、登場するアーティストは「お決まり」の顔ぶれ。

原因到底是什么呢?那是因为过于集中在走红作品上。过去,之声电视台连日播出音乐节目,从秋开始一直到年终,然后在各大电视台巡回“音乐大奖”……这样的光景已不复存在的今天,能点燃唱片产业热情的要素到底是什么呢?过去,就仿佛富士山脚下广阔的原野一般,而如今,这原野已如同在地震里消失殆尽。就算去看排行榜,登场的艺人也都是那些“老面孔”。

が、レコード産業は斜陽でも、ライブエンターテインメントは活気づいており、ドームやアリーナ・クラスでの大規模ライブは増えている。つまり「音楽産業」という点においては、まだ大丈夫なのだろう。けど、ライブだって「ヒット曲」の上に成り立っているだろうから、レコード産業の低迷は、近い将来、ライブにも影響をもたらしていくはずである。

不过,就算唱片产业已如末日夕阳,现场演唱会却活力四射,在东京巨蛋、Arena等举办的大规模Live与日俱增。换言之,就从“音乐产业”这一点上来说,尚无大碍。然而,演唱会也是在“走红歌曲”的基础上才能办起来的,所以唱片产业的低迷状况,甚至会在不久的将来,影响到演唱会的发展。

かつては授賞式もあったGD大賞

曾还有颁奖仪式的GD大奖

そういった中で、発表されたのが「日本ゴールドディスク大賞」である。

其中,“日本金唱片大奖”依然还在持续公布。

87年に制定され、今年が31回目である。受賞者、作品の選考基準は単純に「売上げ」。公認会計士によって厳正に算出されている。文字通り「レコード産業に貢献したアーティスト」を表彰するものである。

从87年设立以来,今年已是第31届。获奖者、作品的甄选标准仅仅就是“销量”。根据官方审计严格计算得出。就如同文字表面的意思一样,表彰的是“为唱片产业作出贡献的艺人”。

初期の頃は「授賞式は正装で来るべし」とし、受賞者の発表ではスタンディングオベーション。マジに「日本版グラミー賞」を目指していた感があった。マドンナ、少年隊、中森明菜が3部門で受賞した時は、所属のワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)は受賞広告を3ページに渡って掲載したほどだった。もちろん、マドンナが来日した際に授賞式も行った。その後、会場を東京・渋谷のNHKホールに移し、NHK総合とNHK—BSで放送もしていたのだが、いつの間にか…である。

刚开始,这个大赛还会“要求艺人着正装出席颁奖仪式”,在获奖者发表感言时大家起立鼓掌。真的是如同“日本版格莱美奖”的感觉。麦当娜、少年队、中森明菜在三个部门中获奖时,所属的华纳先锋(现为华纳日本音乐)事务所把这得奖的广告登了三页报纸。当然,在麦当娜来日本的时候,还举办了颁奖仪式。之后,会场还转移到东京涩谷的NHK大厅,并在NHK综合台和NHK-BS台同时播出,然而不知从何时开始……盛况已不在。

「継続は力なり」などと言うが、今や授賞式もなく受賞者を発表するのみ。静かなものである。

虽然说着“要成为继承的力量”,现在却已没了颁奖仪式而仅仅公布一下获奖者,噤若寒蝉。

前記した通り、今年度はアルバムを87万9140枚、シングルを219万9436枚、音楽ビデオを126万9802枚を売った嵐と、洋楽ではアルバムを15万0120枚、音楽ビデオを950枚、音楽配信61万9899ダウンロードを上げたアリアナ・グランデだった。ここ数年は、嵐とAKB48の受賞だったが彼らは授賞式に必ず出席して、この受賞を喜んでいたものだ。

如上文所示,今年的话,分别是卖出专辑87万9140张,单曲219万9436张,音乐录像带126万9820张的岚,在西洋音乐方面,Ariana Grande卖出专辑150万0120张,音乐录像带为950万张,音乐下载为61万9899次。近几年,岚和AKB48获奖时必定会出席颁奖仪式,为获奖而感到欣喜。

くどいようだが、この賞はレコード売上の正味枚数で決まる唯一のもの。言い換えればユーザーと直結した唯一の賞である。であるなら、CDなど商品を買ってくれたユーザーへの感謝は当然だと思う。

令人感到扼腕的是,这个奖项的唯一评判标准则是唱片的实质销量。换言之,这是唯一一个和用户直接相关的奖项。那么,感谢购买CD等商品的用户也是理所当然的。

かつて、米米CLUBがシングル「君がいるだけで」を270万枚セールスして「グランプリ・シングル賞」を受賞した時のこと。カールスモーキー石井は「270万人もの人が、僕たちのCDを買ってくれたことは凄いことだと思う。感謝している」と喜びを噛み締めていた。当然だろう。

米米CLUB曾经以单曲《只要有你在》270万张的销量获得“最佳单曲奖”时,Carl Smokey石井开心地表示,“有270万人来买我们的CD,真是太棒了。非常感谢大家。”的确如此。

しかし、ずっと見続けてきて思うのは、何で所属事務所も受賞アーティストも、素直に喜ばないのか? 色々と批判はあるが、やっぱりユーザー側に立っているのはジャニーズとかAKB48なのか…なんて、ここ数年は思ってしまう。

不过,一直看下来就会觉得,为何所属事务所也好获奖艺人也罢,大家都无法单纯感到开心呢?虽然有各种各样的批判,但站在用户一边的还是杰尼斯啊AKB48啊……这几年不得不这么想。

いずれにしても、感謝の乏しいムードが、現在の「日本ゴールドディスク大賞」であり、レコード産業の低迷を物語っているような気がしてならない。もちろん、事情は違うが映画賞に女優は積極的に出て来るが、音楽賞に対してアーティストは冷ややかだ。でも、映画産業とレコード産業の盛り上がりの違いにも思えてならない。

不管怎样,缺乏感激的氛围,对于现在的“日本金唱片大奖”来说,并没有使人感觉到唱片产业的低迷。当然,从另一个角度来说,对比那些在电影大奖中积极亮相的女演员,获得音乐奖的艺人们显得很冷淡。不过,电影产业和唱片产业在炒高气氛的方式上也有所不同。

「日本ゴールドディスク大賞」の場合は、認知度や時期の問題もあるが、今こそ所属事務所やアーティストとレコード会社とが一体となる〝要素〟のような気がしてならない。

“日本金唱片大奖”有一些在认知度和时代上的问题,不过就是现在,才是所属事务所、艺人和唱片公司融为一体,再创辉煌的关键时期。

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