うみ、まち、まいにち
大海、城市  每一天

葉山と東京を行ったり来たりするようになった。
ちいさな海辺の町と大きな町。
どちらにいても、できるだけ……
季節の移り変わりを感じながら、ちいさな音に耳をかたむけながら
心地いい風にふかれながら、ささやかなことに楽しみを見いだしながら
すごしていきたいと思っている。
『うみ、まち、まいにち』はじまり、はじまり。

我来往于叶山与东京之间。
那是小小的海滨城市与大都市。
无论在哪里,都尽可能想这样度过……
感受季节的变化,侧耳倾听细微的声音,
迎面而来舒适的风,寻找着简单的小快乐。
那么,《大海、城市  每一天》就这样开始咯。

第1話 浜辺の歌夕焼け小焼け
第1话   海滨之歌晚霞小调

                                                                                   UMI 

午後5時。
葉山では『浜辺の歌』が流れる。
そう。こどもたちに「もう、帰りなさい」と知らせるための曲。
はじめて、そのことを知ったとき、海辺の町らしくていいな、と思った。
家にいるときも、散歩しているときも
曲を聞くと、いっしょに歌ってしまう。
「あーしーたあ はーまあ べえ を……」
とても、おだやかな気持ちになる。

下午5点。
叶山流淌着“海滨之歌”。
是的,那是为了通知孩子们“可以回家咯”的歌曲。
第一次知道这首歌的时候,觉得真像是海滨城市的作风,真好。
在家或是散步的时候,
听到这首歌,就会跟着一起唱。
“明天啊,在海边……”
心情,就会变得非常恬静。

散歩をしているとき、その時刻
通りすぎる家々から、夕ごはんの支度をする音が聞こえてきたり、
テレビの音が流れてきたりする。
犬のほえる声も……。
いちばんすきなのは、こどもの声。
「あはは」というわらい声を聞くと、つられて「あはは」と笑ってしまう。

散步的时候,
从经过的人家,听到准备晚餐的声音,
电视里的声音。
还有狗狗的叫声……
最喜欢的,是孩子的声音。
只要听到“哈哈哈”的笑声,自己也会忍不住笑出声来。

『浜辺の歌』を聞くたび
「もうすぐ、今日も無事に終わりそう……」と
すこし、ほっとしたような、充ちたりたような、そんな思いにつつまれる。

每次听到“海滨之歌”,
“今天,又将平安渡过……”
稍稍松一口气,感觉却很充实。

                                                                               MACHI

住んでいる東京の町は、夕方になると『夕焼け小焼け』がかかる。
風むきによって聞こえる日もあれば、聞こえない日、
気づかないときもある。
でも、耳にすると「ああ、もうそんな時間か…」と思う。

住在东京的城市里,到了黄昏,空气中漂浮着“晚霞小调”。
根据风向情况,有听得见的日,也有听不见、
察觉不到的时候。
然而,一旦聆听到,就会觉得“啊啊,已经是这个时候了呢……”

窓の外を見ると、ビルの灯りが、ついているのが見える。
夕方を知らせる曲だけれど、とても明るい町の空。

望向窗外,会看到大楼的灯火通明。
虽是通知傍晚的曲子,但城市的天空却尤为明亮。

年々、空の面積がちいさくなっている。
以前は、空のなかにビルがあったけれど
いまは、ビルとビルのすきまに空があるよう…。
でも、ビルの灯りを見ると、そこで、その時間、
働いている人の存在に気づく。
昼間は、ビルの存在が大きすぎて、なかに人がいることをわすれてしまうけれど
家族がいる人、こどもがいる人、帰りを待っている人、約束がある人。
みんな、その人らしい生活がある、はず。
そんなことを思うから、ビルが見える風景も、すき。

年复一年,所能看见的天空的面积越来越小。
以前,是天空中间有大楼,
而现在,是大楼和大楼的缝隙之间有天空……
但是,一看到大楼的灯火,就会知道,
在那里,在这个时间,还有人在工作。
白天,大楼的存在感过于庞大,不经意忘记了在里面的人,
有家庭的人,有孩子的人,等待归来的人,有约会的人。
每一个人,都有着自成一派的生活。
想着这些事儿,看着大楼的风景,心仪得很。

(本文朗读音频来自沪友,ID:田中麗子

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