一代诗人 离我而去

平明にして深みのある文は読んでいて心地よい。きのうが英の文豪モームの生誕140年の日だと知って、逸話をひとつ思い出した。75歳の誕生日に、今までで一番うれしかったことは何かとたずねられて、こう答えたそうだ

通俗易懂寓意深刻的文章读起来觉得舒服。得悉昨天是英国大文豪毛姆(William Somerset Maugham)诞生140周年的日子,不由地想起了一段轶闻。据说,在他75岁生日那天,有人问他至今为止让你最高兴的是什么?他是这么回答的。

「戦場にいる兵士から、あなたの作品を読んだが、一度も字引の厄介にならなかった、という手紙をもらったとき」だと。先輩記者の本に教わった話だが、いかにも平明と達意で知られるモームらしい

“当收到来自战场上士兵们的信件,说阅读了你的作品,一次也不曾有过要查字典的麻烦的时候”这是从师兄记者的著作里获悉的一段故事,真不愧是大文豪,文笔就是简明与达意。

そんな逸話から連想するのが、15日に87歳で亡くなった詩人吉野弘さんの作風だ。とかく難解な現代詩にあって、わかりやすい言葉で人間をうたった。生きることの不可思議にふれる幾つもの詩が胸をよぎる

从这段故事联想到了是本月15日以87岁高龄辞世的诗人吉野弘先生的文风。即便是很难理解的现代诗,他也以通俗易懂的词汇赞颂人生。有几首涉猎到生活奥妙的诗歌不由地涌上心头。

〈二人が睦(むつ)まじくいるためには 愚かでいるほうがいい〉で始まる「祝婚歌」を披露宴のスピーチで耳にした人も多かろう。〈ひとが ひとでなくなるのは 自分を愛することをやめるときだ〉の一節が胸にしみる「奈々子に」も忘れ難い

那首以〈为了和睦共度一生,愚钝一些或许才有可能〉开头的“婚庆歌”恐怕不少人在婚宴致辞时有所耳闻。那首“献给奈奈子”也是令人难忘,〈当放弃爱自己的时候,你才能不将他人看作他人〉的这一段就深深地镌刻在人们的心里。

19歳で入営する5日前に戦争が終わり、死を免れた。20代のとき結核で死に瀕した。そうした体験を機縁につくり始めた詩は、やさしいながら深くて、一語のゆるみもなかった。当コラムも何度か詩句をお借りした

就在他19岁将要入伍的5天之前战争结束了,因此而幸免一死;20多岁时罹患的结核病差点要了他的命,因为这些人生经历的机缘而开始创作的诗歌通俗且深刻,没有一词的空洞,本栏目也不止一次地借用过他的诗句。

その名前よりも、その詩の方が知られていた人といえば失礼になろうか。いや、作品が愛誦されることこそ詩人冥利(みょうり)だろう。名前は頭に記憶されるが、詩は心に残る。言葉の力を信じて言葉をみがき続けた人が、そっと筆を置いて去っていった。

他的诗歌比他的姓名更为人知晓,这么评价他不知是不是太不礼貌。其实,作品被人热爱正是诗人的又一收获,姓名只能记在人们的脑子里,而诗歌却留在了人们的心坎上。这位相信语言的力量,且不断地钻研使用好语言的人悄悄地放下了手中的笔,离开了我们,走了。

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