Q1:あやうく、足もとをすくわれるところだった
「足もとをすくわれる」が間違い。正しくは「足をすくわれる」です。「足をすくわれる」とは、ちょっとした隙につけ込まれて相手に失敗させられるという意味です。一方「足もと」という言葉の意味は、文字通りで足の近く、立っているところという意味ですが、それ以外にも、身近なところ、現在置かれている状 態、歩く時の足の運び方、歩きぶりなどの意味もあります。「足もとに火が付く」などのように危険なことに関して使う場合も多いので、それと混同してしまっ ての誤用でしょうか。

Q1:あやうく、足もとをすくわれるところだった。|正确:差点让人给搞砸了。
“足もとをすくわれる”错了,正确的该是“足をすくわれる”。“足をすくわれる”的意思是:见缝插针、钻空子、让对方搞砸。另一方面,“足もと”这个词,正如字面意思,是指脚部近旁、站着的地方。此外,也有近旁处、现在所处的状态、走路时脚的动作、迈步的动作等含义。多用于诸如“足もとに火が付く”等危险情况,估计就是跟这个搞混而误用了吧。

Q2:彼は急に椅子から、やおら立ち上がった
これは「やおら」の意味の取り違いです。「やおら」とは、急にとか、いきなり不意にという意味ではなく、正しくは、おもむろに、静かにゆっくりであるさまを指します。

Q2:彼は急に椅子から、やおら立ち上がった。|正确:他忽然从椅子上站起来
这句搞错了“やおら”的意思。“やおら”不用于表示突然、突发、意料外等意思,正确的是指慢慢地、静静地、徐徐地样子。

Q3:彼はムッとしたのか、憮然とした表情で立ち去った
こちらも「憮然」の意味の取り違いです。「憮然」は、ムッとするとか、腹が立つという意味ではありません。正しくは、落胆する、驚き呆れて、呆然とするさまを指します。

Q3:彼はムッとしたのか、憮然とした表情で立ち去った|正确:他可能是火了,带着一脸生气的表情离去。
这里也搞错了“憮然”的意思。“憮然”并没有生气、发火等意。正确的是指气馁、惊吓过度或发愣等样子。

Q4:このホラー小説って、あまりぞっとしないね
で は「ぞっとしない」とは、どういう意味でしょう? これは、あまり面白くない、感心しないという意味で、怖くない、恐ろしくないという意味ではないのです。怖いホラー小説や映画であっても、それが面白くなかったという意ならわかりますが、「これって、怖いっていう話だからビクビクしながら見たけど、ちっともぞっとしなかった」などの言い方も間違いになるわけですね。

Q4:このホラー小説って、あまりぞっとしないね|正确:这本恐怖小说不是很恐怖呢。
先问大家“ぞっとしない”是什么意思?这其实是不太有趣、不打动人的意思,跟不可怕、不恐怖等没关系。即使是可怕的恐怖小说或电影,如果表示没趣还能理解,“听说这很恐怖,我提心吊胆看的,可一点儿都没意思”,所以才会产生这种错误的说法吧。

Q5:明日は新しいタワービルのこけら落としなんだって
「ビルの柿落とし」が間違い。ビル内に劇場があってそれを指すならばわからなくはありませんが、本来の意味は「こけら落とし」とは、新しく建てた、または改築した劇場で行われる興行を指します。劇場の開場を祝う最初の催しのことをいう言葉なのです。

Q5:明日は新しいタワービルのこけら落としなんだって|正确:明天是新建塔的开幕典礼。
“ビルの柿落とし”错了。如果楼里有剧场,这里指的是剧场的话那还能理,因为“こけら落とし”原本的意思是指在新建、或改建的剧场进行的演出,是指为庆祝剧场开演而举办的首演。

Q6:たくさんのご馳走につい舌を鳴らした
「舌 を鳴らす」が間違い。「舌を鳴らす」とは、軽蔑したり不満の気持ちを表すようなときに、チェッと舌打ちするようなことを指す言葉です。ご馳走を見て、 ピチャピチャ舌が鳴るという場合もあるかもしれませんが、本来の言葉の使い方としては誤りです。「舌鼓を打つ」ならば正しいですね。ほかに「鳴る」の付く 言葉としては、次のような使い方があります。「猫がごろごろ喉を鳴らす」「彼は得意そうな感じで鼻を鳴らした」などがあります。

Q6:たくさんのご馳走につい舌を鳴らした|正确:对着这么多好吃的不禁咂嘴口水直流。
“舌を鳴らす”错了。“舌を鳴らす”是指表示轻蔑或不满的感情时,咂巴舌头的动作。看到好吃的,也可能会咂巴舌头发出声音,不过就这个词原本的用法来说是错了。如果是“舌鼓を打つ”就对了。其他加了“鳴る”这个词的,还有下述用法,如“猫がごろごろ喉を鳴らす”、“彼は得意そうな感じで鼻を鳴らした”等。

Q7:まったく昨日は、上や下への大騒ぎだった
「上や下への」が間違い。正しくは「上を下への大騒ぎ」です。「上を下への大騒ぎ」とは、大勢の人が入り乱れてごったがえす様子という意味です。上や下も、上を下も言葉の響きが似ているための誤りでしょうか。

Q7:まったく昨日は、上や下への大騒ぎだった|正确:昨天真是人太多,一片混乱。
“上や下への”错了。正确的该是“上を下への大騒ぎ”。“上を下への大騒ぎ”是指人多混杂、杂乱无章的样子。上や下も和上を下も长得很像,所以用错了吧。

Q8:そんなに声をあらげないでよ
「あらげる」が間違い。正しくは「声を荒らげる(あららげる)」です。Q7に同じく響きが似ているための誤用かもしれませんね。

Q8:そんなに声をあらげないでよ|正确:讲话不要这么粗鲁。
“あらげる”错了。正确的该是“声を荒らげる(あららげる)”。这跟Q7一样,因为念着很像而用错了吧。

Q9:昨日とは言ってることが真逆だよね
「ま ぎゃく」が問題です。以前、流行語大賞にノミネートされたこともある言葉です。現在は何の疑いもなく使う人が多いと思いますが、本来は「真逆」は「まぎゃく」ではなく、「真逆」と書いて「まさか」と読みます。「まさか、あそこで失敗するとは思わなかった」などの「まさか」です。今は「あの兄弟っ て真逆だよね」のように正反対の意味で使われていますが、本来は違うものです。真っ白などのように、「逆」を強調した(=まるっきり逆)と同じような意味で使われているのでしょうね。

Q9:昨日とは言ってることが真逆だよね|昨天真是和说的完全相反。
“まぎゃく”有问题。这个词以前也曾在流行语大奖中提名过,现在很多人都不带任何怀疑的在用,可本来“真逆”并不是“まぎゃく”,写成“真逆”而读作“まさか”。其实就是“まさか、あそこで失敗するとは思わなかった”里面的“まさか”。现在该词用于正相反意义的语境中,比如“あの兄弟って真逆だよね”,其实原本是不同的。正如真っ白等词,这是强调“逆”(=完全相反)的用法。

Q10:あのドラマの登場人物ってみんな破天荒で楽しいよね
「破天荒」の意味の取り違いです。「破天荒」とは、天荒を切り開くという中国の故事からきた言葉で、未曾有、前代未聞というような意味を持つ言葉です。人 で言うなら、今まで誰も出来なかった前代未聞の偉業を成し遂げたような人物を表す場合に使う言葉です。豪快で大胆、常識はずれ、ハチャメチャなどの意味 で、「学生のころは遊んでばっかで破天荒だったよな」などと使うのは大間違い!

Q10:あのドラマの登場人物ってみんな破天荒で楽しいよね

“破天荒”的意思用错了。“破天荒”这个词来自中国开天辟地的故事,指未曾有过的、前所未闻的意思。用在人身上的话,就是指做出了前无古人的、前所未有的伟业的人物。如果用在爽快、大胆、没常识以及无意义等语境中,比如“学生のころは遊んでばっかで破天荒だったよな”这句话,那就大错特错了!

いかがでしょうか? 普段、会話や文章の中で何の迷いもなく使っていた言葉はありませんでしたか? 言葉の響きが似ているものや、意味がそれこそ真逆、正反対などというものもありますから、適切な大人の表現力を身につけるためにも、こんなうっかり言葉遣 いを時折見直して、誤用に注意したいですね。

怎么样呢?上述例子中大家是否在日常对话或文章中想都没想就用了呢?其中既有发音相似的,也有意思上完全相反的例子,想要掌握适当的成年人的表达能力,就要时常重新审视此类马虎的遣词,注意别用错了。

翻译为沪江日语原创,未经授权禁止转载。