万叶恋歌 「-樱之章-」(神谷浩史)02 星明りの下での出会い
Track02 星明りの下での出会い 「ふぅ~今日も疲れたなぁ~おっ?残業してたらもうこんな時間かぁ。道理で疲れてる訳だ。お~星が見える。綺麗だ~そう言えば、最近忙しくて星を見上げる暇もなかったなぁ~たまにはこんなのも悪くないかぁ~」 (ドン)「あっ、すいません!」 星明りのせいだろうか、ぶつかってきた人の表情がはっきりと見えた。 「ちょっと…余所見してて…怪我とかありませんでしたか?」 星明りに照らされたその姿に、一瞬で俺は彼女から目を離せなくなった。 「あぁ…大丈夫ならいいんです!本当に、俺の不注意ですから…」 彼女は謝りながらお辞儀をすると暗闇へと消えて行った… 「なんだ…この感じ?もっと話せばよかったと思うなんて…」 遠くなる彼女の後姿を見ながら、俺はいつまでもその場所に立ち尽くしていた。 『玉桙の道行かずあらばねもころのかかる恋には逢はざらましを』 偶然、道で見かけた貴方に一目惚れをしてしまうが…声をかけそびれてしまった。 「フン、何でも万葉集の歌に譬えるのは俺の悪い癖だなぁ~ふぅ、仕方ないだろう~ずっ万葉集の研究をしてきたんだから。」
呼~又是疲惫的一天。加班不知不觉就已经到这么晚了,难怪会觉得疲惫。呵,天上有星星,真美~说起来,最近忙得连抬头看星星的工夫都没有。偶尔像这样仰望星空也很不错啊~ (碰撞声) “啊,对不起!” 或许是因为星光很明亮,我看清了撞到我的人的表情。 “我刚才走神了,没注意。你没有受伤吧?” 星光撒落在她身上,一时间,我的目光竟无法从她那儿移开。 “啊~没事就好!是我不小心……” 她一边道歉一边向我鞠躬,然后消失在夜色中。 “我这是怎么了?竟后悔没能跟她再多说一会儿话。” 我伫立在原地,望着她渐远的背影。 『路亦不走,怎能相逢;竟然落此情网中。』 ——对那个萍水相逢的她一见钟情,却错过了说话的机会。 呵,什么事都跟《万叶集》里的和歌对号入座实在是我的坏习惯。但也无妨,因为我是研究《万叶集》的。