年賀状や寒中見舞いなどの返信で、「(寒中見舞いの)おはがきをお送りいただきましてありがとうございました」などのように書くことがあります。

在贺年卡或冬季问候的回信里常常都写着「感谢您寄来(冬季问候的)明信片」之类的话。

このように、人から物をもらったり、厚意を受けたりした場合には「~いただきまして」「~くださいまして」という表現を用いることが非常に多いものですが、この「いただく」と「くださる」について、どのような違いがあるのか、使い方に迷うという声をよく耳にします。

像以上这样,从他人处得到什么或是承他人好意时经常用到「~いただきまして」「~くださいまして」。然而「いただく」和「くださる」又有什么区别呢?为此困扰的朋友请往下看。


結論から申しますと、丁寧度や敬意の度合いからすれば、この2つはそう違いがないものと考えられます。ただ、ひとつ違いがあるといえば、それは敬語の種類が違うという点でしょう。たとえば、次の文を比べてみましょう。

就结论而言,两者的礼貌与敬意程度并没有区别。但硬要说的话,就是两者的敬语种类不同。我们来看看下面的例子。

A「ご本をお送りいただきまして、ありがとうございました」

B「ご本をお送りくださいまして、ありがとうございました」

Aの「お送りいただく」は、「お(ご)~いただく」の形で「~てもらう」の意の謙譲表現を用いたものです。それに対してBの「お送りくださる」は、「お(ご)~くださる」の形で「~てくれる」の意の尊敬表現を用いて表した言い方といえます。

A的「お送りいただく」是用于以「お(ご)~いただく」的形式来表达「~てもらう」的谦逊之意时。而与之相对,B的「お送りくださる」是用于以「お(ご)~くださる」的形式来表达「~てくれる」的尊敬之意时。


自分が「いただく(もらう)」というのは、相手が「くださる(くれる)」と同義なわけですから、どちらでも正しいことになり、敬意の度合いとしてもほとんど違いがないと言っていいでしょう。しかし、もし区別するとしたら、「いただく」は、どちらかと言えば自分が相手に頼んだ場合に使われ、「くださる」は、自分が相手に頼んだことでなくとも、相手の意思で何かをしてくれるような場合に使われることが多いのではないかと感じます。

由于自分が「いただく(もらう)」与相手が「くださる(くれる)」意思相同,所以可以说两者都没错且敬意的程度几乎一样。但如果说有什么区别的话,比较而言,「いただく」多用于自己请求别人的时候,而「くださる」则用于自己没有请求别人,对方也以自己的意志做了些什么的情况。

具体的な場面としては、次のような例です。

具体场景请看以下的例子。

場面1 自分が注文した本を書店などから送ってもらった場合

场景1 请求书店送来自己购买的书时

   

→「(私が注文しました本を)お送りいただきまして」

場面2 先生が自分の本を送ってくれたような場合

场景2 老师送来自己所著的书时

   

→「(先生のご著書を)お送りくださいまして」

と、このような使い分けをされると考えられます。

现在普遍分为以上两种用法。

ただし、実際には、場面2のように、自分が頼んでいない、相手の自発的な行為であった場合でも「お送りいただき」という表現もしばしば使われています。

然而事实上,如场景2的情况,自己没有拜托对方而是对方的自发行为时也经常使用「お送りいただき」。

これはなぜかと考えますと、頼んだりお願いしたりしたわけでもなく相手の厚意によることに対して、相手から厚意を受けたという部分を強める意味で「(ご著書を)お送りいただき」という謙譲表現が使われるのではないでしょうか。頼んだわけでもないのに自分にまでお心くばりいただいて…と恐縮する気持ち、厚意を受けたことをありがたく思う気持ち、そのような感情から「いただく」という表現が好まれるのでしょう。

这是为什么呢?可以考虑为这是当自己没有请求但对方表达了好意时,为强调自己接受了对方的好意,才使用了「(ご著書を)お送りいただき」这样谦逊的表达方式。是怀着明明自己没有拜托他人,对方却如此照顾自己的惶恐之情以及承蒙对方好意的感谢之情而用了「いただく」这样的表达。

ここで注意したいのは、これとは反対に自分が相手に明らかに何かを頼んだような場面で「くださる」を使うのは、違和感を生じることもあるという点です。たとえば以下のような例です。

但需注意的是,与上述相反,在自己已经明确请求对方做某事时使用「くださる」就会使人产生违和感。比如下面的例子。

場面3 自分の会合への出席を無理にお願いしたような場合

场景3 勉强请求别人出席自己的聚会时

   

→△「本日はご出席くださいましてありがとうございます」

場面4 自分が渡してもらいたいと頼んだ場合

场景4 请求别人把某物交给自己时

   

→△「資料をお渡しくださいましてありがとうございます」

場面3のような場合、相手は、「あなたからどうしてもとお願いされたから出席したのに」などと不自然に感じる恐れもあります。ここは「このたびは(ご無理を申して)ご出席いただきましてありがとうございます」などのほうが言葉としてなんとなくおさまりが良くしっくりくる感じがします。

如场景3所示,对方可能会有“因为你请求我无论如何都要出席我才来的”等不自然的感觉。而如果使用「このたびは(ご無理を申して)ご出席いただきましてありがとうございます」等表达方式,则感觉更加安定合适。

場面4も同じく、「(お願いいたしました)資料をお渡しいただきましてありがとうございました」などの表現のほうが自然に感じられます。この2つはいずれも、自分が相手に「出席」や「渡す」という行為を頼んで行ってもらったために、「~いただく」という表現が適当という印象を受ける例です。

场景4同理,使用「(お願いいたしました)資料をお渡しいただきましてありがとうございました」就更自然。因为这两种场景都是自己向对方发出「出席」或「渡す」等行为的请求,所以用「~いただく」更加合适。

言葉として決して間違いでもなく、意味上の違いや敬意の差がほとんどない言葉であっても、どのような場面において使われるかによって受ける印象は違ってくるといえるのでしょうね。

即使语言上没有错误,意思和敬意也几乎没有区别,但根据场景使用不同的表现方式给人的印象也会不一样吧。

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