超少子高齢社会の日本では、職場から社会から20代が減っている。

处在超少子高龄化社会中的日本,职场上、社会上20多岁的人在减少。

1990年には4割だった日本の30歳未満人口は、現在3割を切っている。職場でも「希少な若手」な存在ゆえ、辞めてもらっては困る。とはいえ「上の言うことは絶対」教育を受けた世代から見ると、厳しい上下関係やしっ責を嫌う20代の扱いは、時に悩みの種。

日本1990年不到30岁的人占总人口的4成,而现在仅占3成。在职场上因为他们是“稀少的年轻人”,辞职的话公司会很难办。虽说如此,对于接受过“上级说的话要绝对服从”的一代人来说,20多岁的年轻人讨厌严格的上下级关系,不愿意承担责任,有时就是烦恼的根源。

「理不尽な指示は従えない」という若手に対し、いくら若手不足とはいえ「20代の主張をいちいち聞いていてはまるで過保護な(中国の)一人っ子政策だ」という先輩世代の声も。現代の理想の若手育成とは。

即使年轻人少,但对于这些“不服从不合理指示”的年轻人,若“一一回应他们20代所有的主张,不就和过度保护的中国独生子女政策一样了吗”那么现代理想的年轻人培养方法是什么?

「やれ」と言われていない仕事でなぜ怒る?

为什么因为没交代的工作而生气?

「一言一句メモれ」「先輩のスケジュールは全て把握して、資料を用意しておくべし」「仕事は言われる前に察してやっておくのが当然」

“记下每个字每句话”“掌握好前辈的全部日程,提前准备好材料”“在别人交代工作之前,提前发现并完成是理所当然的”

都内のIT企業勤務の翔太さん(28、仮名)は入社してすぐ、営業職に配属された。同じチームの男性の先輩(33)の“仕事の流儀”に、どうしても違和感がぬぐえなかった。先輩は元ラガーマン。30代前半とはいえ、若手の育成はスパルタ方式を信じている。

翔太(28岁,化名)在加入东京的IT企业工作后马上被分配到营业岗位。他对同一团队的一位男性前辈(33岁)的“工作原则”总感到有违和感。前辈之前是橄榄球选手,虽说才30出头,但对年轻人的培养方式却信奉斯巴达式。

「やれと言われた仕事をやっていなくて叱られるのはわかります。でも、やれとも言われていない仕事をやっていなくて、どうして責められるのか」

“如果交代的工作我没完成而被批评,我还能理解,但没交代的工作没完成,为什么还要被骂”

翔太さんは、納得がいかなかったという。

翔太无法理解。

目的共有とメリットなければ次へ

如果没有共同目标和好处的话,就找下家吧

「例えば何かの進捗管理の仕事の場合、それをやる意味やメリットを考えずに、ただやれ、姿勢をみせろ、と。本人だって、その意味や目的をわかっていないなと思うと、正直、気持ちは離れますね。上の世代に希望をもてない」

“例如在做某项进程管理的工作时,不考虑其意义、好处,而只是执行和摆样子。我想也许他本人也不明白做这件事的意义和目的。说实话真的无法苟同。对年长一代不抱希望了”

もちろん、身近な年上である30代が全てスパルタなわけではない。ただ、「本当の意味で仕事を教えてくれる人がいない」と感じてきた。

当然,身边的30代前辈并不都是斯巴达式的指导。只是感觉“没人教我工作到底意味着什么”。

というのも「40代以上のスパルタ育ちに憧れてそれにならう、(前出の)ラガーマン先輩のような人が3割。あとの7割は『ググれば(ネットで検索すれば)?』という放置型」なのだという。

“像(前面说的)前橄榄球选手那样,憧憬着那些受职场斯巴达式教育成长的40多岁以上一代人的占了3成。剩下的7成人对后辈则都是‘不会的就谷歌一下(上网搜索一下)’的放任型”。

管理職世代と自分たち20代をつなぐ「身近で教えてくれる先輩」「親身になってくれる先輩」層の薄さを実感している。

我深切感受到连接管理层与我们20代的所谓“身边言传身教的前辈”“亲如家人的前辈”的不存在。

「僕ら世代は、目的共有とメリット提示がなければ、次に行きます。部署異動の希望を出すとか、転職するとかです」

“我们这一代人,如果没有共同的目标和好处,就会去找下家。例如提出调换部门或者换工作。”

翔太さんも実際、人事部に相談をし、今年からは営業を離れ開発部門を担当している。

翔太实际上已经和人事部沟通了,今年要离开营业部去开发部门。

全身びしょ濡れでも営業の効果とは?

全身湿透,营业的效果是什么?

「車を使えば、もっと取引先を回れるのに」

“如果能开车的话,就可以拜访更多客户”

キャリアプロデューサーとして今、複数組織で働く境野今日子さん(26)は社会人1年目、大手通信会社の東北地方の支社に配属され、営業担当として働いていた。自転車を漕いで遠方の取引先に向かいながら、いつもモヤモヤしていた。

如今作为职业制作人(为想要提高职业技能谋求更高职务或是想要转行的人提供咨询帮助的职业),曾在多家公司工作过的境野今日子(26岁)在进入社会的第一年,被分配到通信巨头东北的分公司担任营业工作。在蹬着自行车去很远的客户那里拜访时,她总是内心郁郁不快。

支社では入社の春から夏頃まで「新人は、自転車で営業」という研修があった。10キロ圏内を自転車で回ると、訪問先が1日で2〜3軒ということもある。移動に時間がかかって仕方ない。

在分公司里,有一项“新人,用自行车去销售”的研修从入社的春天持续到夏天。10公里范围内用自行车跑客户的话,一天可能只跑两三家。路上太费时间了,没有办法。

「雨の日も、びしょ濡れになっても自転車でした。資料がベタベタの使いものにならなくて、何しに行っているのだろうと……」

“下雨天,全身湿透也得骑自行车。资料湿得都无法使用了,我去客户那到底是干嘛……”

炎天下でスーツの日など全身汗まみれで、顧客にも失礼だと感じていたが、「こんな遠いところまで頑張って自転車で来ている」という”姿勢”が大事だと。だが、取引先からは「おたくは、まだそんなことやっているんですか」。かえってあきれられ、どうしても効果を生んでいるようには思えなかった。

艳阳天里,穿的西服全被汗水浸透,总感觉对客户很失礼。但是“这么远的地方我努力骑车过来”的“姿态”非常重要。客户那边却说“你们又搞这么一套”反而产生了反感。我总觉得这样做什么效果也没达成。

入社前からの社歌の練習、「本社のえらい人に質の高い余興をみせるため」の忘年会の練習、大量の買い出しなど会社の飲み会の準備——。

入职前练习唱社歌、“为了让总公司高层高兴的余兴节目”而进行忘年会的练习、为公司聚会而进行大量采购等准备工作——

「この時間に、もっと仕事ができるのでは」

“这些时间,本可以做更多的工作”

そう、思わずにいられなかった。

她总会不由自主地这样想。

背中を見て覚えろ世代の割り切れなさ

观察前辈如何工作而成长起来的一代人的复杂心情

一方、年功序列のタテ社会の洗礼を飲み込んできたのがアラフォー(40歳前後)世代。20代がもつ「違和感」に一定の理解は示しつつも、胸中は少し複雑だ。

另一方面,经过年功序列制的层级社会洗礼的ar40(40岁前后的一代人),对20多岁人感受到的“违和感”表示一定理解,但同时心中还有一些复杂的情绪。

「間違いを指摘されてスネたり、何度も言っていることも覚えなかったりだと、正直、どうなのかなとは思いますね」

“指出问题以后他们闹别扭,说过多少次但他们总记不住。说实话我总会想到底是为什么”

ポータルサイト運営企業の会社員、エリコさん(44)は、20〜30代前半くらいの若手に時おり、割り切れなさを感じる。それでも「毎回メモをとろうねと念を押したり、繰り返し説明したりすることが重要」と、考えている。同じミスが繰り返されるよりはずっといい。

门户网站运营公司的员工Eriko桑(44岁)表示,对20到30岁出头的年轻人,有时总免不了心情复杂。即便如此,她依然认为“每次盯着他们做好笔记,重复说明是非常重要的”。比起让他们重复犯错,这样做强多了。

エリコさん自身は丁寧な説明どころか「背中を見て覚えろ!」と、育てられた世代。新卒で入社した大手新聞社では「初めての赴任地で、本社からの電話をとるのに『はい、◎◎支局です』と出ると、『名を名乗れ!』といきなり怒鳴られて。怖いところに来てしまった、と衝撃でした」

而Eriko桑自己,当时的前辈并没有耐心说明,是被要求“自己看着学”培养出来的一代人。应届毕业进入大型报社“在最初的任职地接到总公司电话时我说‘你好,这里是○○分局’,对方随即一声怒吼‘报上名来!’。当时我就被吓到了,觉得自己到了一个可怕的地方,很是冲击。”

手取り足取り教えてもらえるわけでもなく、先輩のやり方を「見て」学ぶしかなかった。スパルタなやり方は「マウンティングに過ぎない」と今では思うが、おかげで「いちいち反発しても平行線だからと、ぐっとこらえて身を処す術は身についたかもしれません」。

他们不是手把手教,我们只能“看着”前辈们是如何做事来学习。斯巴达式的做法现在想来“如同等级划分”,但也拜其所赐明白“每件事都反抗也没有结果,咬牙忍耐一下,可能还可以学会立身之道”。

役立つ下積みもある?

居于人下的经验是有用的?

終身雇用が崩壊し、転職を視野に入れる現代の若年層。長い「下積み期間」を敬遠するのも無理はない。

终身雇用制崩塌后,现代的年轻人也把换工作纳入考虑范围。也难怪他们会对长期“居于人下”敬而远之。

本当にためになる下積みなのか、単なる根性論なのか。その線引きが、日本社会で曖昧なのも、20代と上の世代とに溝を深めているかもしれない。

居于人下的经验是真的有用?还是单纯的毅力论?这中间的界限就是日本社会的暧昧,也导致20多岁的人与上一代人之间鸿沟加深。

何の意味があるんですか?と聞く理由

问“那份工作有什么意义?”的理由

「若手育成の悩みは、はっきり言って多くの企業から聞きます」

“坦白讲,从很多公司那里听到培养年轻人的烦恼。”

エン・ジャパンの人材活躍支援事業部チーフコンサルタントの横田昌稔さんは言う。

En Japan的人才活跃支援事业部首席顾问横田昌稔说道。

横田さんは、企業の管理職研修や新入社員研修を手がける。若手が会社の電話に出ない、指示に対して「何の意味があるんですか?」と聞き返してくる、対面コミュニケーションを避けるなどのケースをよく相談されるという。ただ、20代の言い分にも理由がある、というのが横田さんの見方だ。

横田负责企业管理层研修以及新入职员工的研修。他经常被咨询,年轻人不接公司电话,面对指示反问“这么做有什么意义”,避开面对面交流等情况。但是,他认为20代这么做的原因也有道理。

「小学生ぐらいから携帯を使ってきた世代は、誰からか分からない電話に出ることに慣れていない。LINEなどSNSコミュニケーションが主なので、対面で声をかけるのも苦手意識がある」

“他们那一代人从小学起就用手机了,他们没有接陌生人电话的习惯。他们以LINE等SNS交流为主,不擅长面对面交流”

そして「指示に何の意味があるのか」と聞くのも、無理もない面があるという。

会问“这个指示有什么意义”也不无道理。

「黙って上の言うことに従って耐えていれば、右肩上がりに給料の上がる時代ではないからです」

“什么都不说,一味遵守忍耐上级指示,职位和薪资就会上涨的时代已经过去了”

その上で横田さんは言う。

除此之外,横田还说。

「上の世代と若手と、どちらがいい悪いではない。時代環境の変化をお互いに理解して、歩み寄るべきでしょう。それは職場で仲良くやっていくためではありません。仕事の目的である成果を最大化するために、必要なのです」

“并不是说上一代与年轻人谁好谁坏。大家应该相互理解时代环境的变化,互相让步。这并不是为了职场上大家好好相处,而是为了实现工作成果最大化必须要这样”

そして管理職世代には若手社員に対し、「いつ、誰が、どこで、何を、何のためにやるか」まで説明して指示することや、何か困っていないか上司の方からの声がけを勧める。一方、若手社員にも「わからないならちゃんと聞く、言われたことはメモをとる」などを、伝えている。

并且,建议管理层一代对年轻员工交代“何时、谁、在哪、干什么、为什么”,上司还应主动询问年轻人有什么困难。同时,也应对新员工传递“有什么不懂得尽管问,告诉你的东西要记笔记”等信息。

もちろん40代以上からは「なぜそこまで?」という疑問の声も上がる。これに対して、横田さんは「産業構造の変化」を指摘する。

当然,40岁以上的人会有疑问“为什么要做到这种程度”。对此,横田指出了“产业结构的变化”

「これまでどおりのやり方で、成果が出る時代ではない。デジタル・ネイティブな20代の声や新しい価値観を取り入れることで、変化や改革に対応できることもある。今までのやり方を押し付けることに、メリットはありません」

“现在这个时代已经不是按照以往的做法就能出成绩的时代了。通过加入数码原住民的20代的声音和新的价值观,才可能应对变化和改革。将之前的做法强加于人没有任何好处”

平成の30年間で、もっとも大きな変化はインターネットの台頭。そして今、小さな頃からデジタルに慣れ親しんできたデジタルネイティブ世代が職場や社会の主役になりつつあります。ただし、デジタルネイティブな平成生まれと、上の世代は時に価値観のギャップですれ違いも。平成が終了し新たな時代の始まる2019年、ズレやギャップの向こう側を探ります。

平成的30年,最大的变化莫过于互联网的崛起。现在,从小就接触数码的数码原住民一代正渐渐成为职场和社会的主力。但是,平成年代出生的数码原住民与上一代人有时候会在价值观上有所分歧。2019年平成将结束,新的时代将要开始,我们将继续探寻偏差和分歧的另一端。

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