「明日、オフィスに伺います」「明日、オフィスに参ります」。どちらも正しいように感じますが、本当はどちらを使うべきなのでしょうか?実はこれ、小中学生の教科書では、明確に区別されている表現です。どんな違いがあるのでしょう。

「明日、オフィスに伺います」「明日、オフィスに参ります」。这两个表达看起来都是正确的,但到底应该使用哪个呢?实际上在中小学生的教科书上这两个表现被明确区分开来。到底有什么区别呢?

いつの間にか敬語の分類が5つに増えていた

不知不觉敬语的分类增加到五种

私が学生の頃、敬語は「尊敬語 」「謙譲語 」「丁寧語」の3種類に分かれていました。「尊敬語」と「謙譲語」は相手を立てるか、自分を下げるかで分けていましたよね。

我上学的时候,敬语有“尊敬语”“自谦语”“郑重语”三种。“尊敬语”和“自谦语”分别用来尊敬对方、降低自己身份。

最近、といってももう11年も前なのですが、2007年の「敬語の指針」(文化審議会答申)において敬語は「尊敬語」「謙譲語I」「謙譲語II」「丁寧語」「美化語」の5種類に分類されることになりました。「美化語」が新しい分類です。

虽说是最近,但也是11年前的事儿了,2007年的“敬语的指南”(文化审议会报告)中,敬语被分 “尊敬语”“自谦语I” “自谦语II”“郑重语”“美化语”五种。“美化语”是新分类。

美化語は、名詞に「お」や「ご」をつけて丁寧な言葉にしたもの。例えば、「お茶」「お酒」「ご飯」「ご本人」などです。名詞に関しては、「お」か?「ご」か?という問題がありますが、これは、さすがに日本人ならば感覚的に分かるもの。「ご茶」や「お本人」とは言いませんよね。

美化语是在名词前加上「お」和「ご」使其变为礼貌的语言。例如「お茶」「お酒」「ご飯」「ご本人」等。关于名词前是加「お」?还是「ご」?这个问题,感觉只有日本人才能分清。没有「ご茶」和「お本人」的表达方式。

さて、ビジネスシーンでは特に「謙譲語I」と「謙譲語II」の判断が難しいところです。

接下来说一说在商务场合特别难区分的“自谦语I”和“自谦语II”。

謙譲語がわざわざ2つに分けられた理由とは

特意把自谦语分成两个的原因是

明日、オフィスに伺います。(謙譲語I)

明日、オフィスに伺います。(自谦语I)

明日、オフィスに参ります。(謙譲語II)

明日、オフィスに参ります。(自谦语II)

これはどちらも謙譲語です。謙譲語と尊敬語の違いとは、「動作をする人が自分ならば謙譲語」です。ですから「伺います」も「参ります」も謙譲語です。

这两个都是自谦语。自谦语和尊敬语的区别就是“动作发出者如果是自己的话就用自谦语”。因此「伺います」和「参ります」都是自谦语。

さて、文化審議会は、なぜこの二つを分類したのでしょうか。実はこれ、ビジネスシーンで敬語を使い分けるのに、とても重要な視点で分けられているんです。

那么,文化审议会为什么要将其分成两类呢?实际上,虽然在商务场合会区分使用敬语,但这是从非常重要的视点进行分类的。

「謙譲語I」は話題に上がっている人やものなどに対する謙譲表現

“自谦语I”是对于成为话题的人和物的自谦表现

明日、オフィスに伺います。

明天,我去您的办公室拜访您。

ここで、話題になっているのは「オフィス」です。この場合は「あなた様のオフィス」という意味です。動作、この場合は「行く」ということですが、「あなた様のオフィス」に「行く」ことに対し、自分の動作「行く」を下に扱って「伺う」というわけです。

在这里,成为话题的是「オフィス」(办公室),意为“您的办公室”。动作是「行く」(去),原本的表达是「あなた様のオフィスに行く」,但如果加入了自己谦逊的态度,「行く」就要变为自谦动词「伺う」。

「敬語の指針」文化庁より

选自《敬语的指南》文化厅

「先生のところに伺いたいんですが…… 」と述べる場合「先生のところに行きたいんですが(先生のところを訪ねたいんですが)…… 」と同じ内容であるが、(「行く/訪ねる」の代わりに「伺う」を使うことで )「先生」を立てる述べ方になる。この ように 「伺う」は <向かう先> に対する敬語として働く。この種の敬語は,一般 に「謙譲語」と呼ばれてきたが,ここでは「謙譲語II」と区別して,特に「謙譲語I」と呼ぶこととする。

虽然「先生のところに伺いたいんですが…… 」和「先生のところに行きたいんですが(先生のところを訪ねたいんですが)…… 」说的是同样的内容,但「伺う」有尊重「先生」的意味在里面。这类敬语一般被称为“自谦语”,但为了与“自谦语II”区别开,所以特称“自谦语I”。

ちなみに最後の「ます」は尊敬語でも謙譲語でもなく、丁寧語です。なので、ここが変わると、ちょっと雰囲気 も変わりますよ。

另外,最后的「ます」既不是尊敬语又不是自谦语,而是郑重语。因此,如果这里改变的话,语义也会稍微不同。

「謙譲語II」は聞き手に配慮する謙譲表現

“自谦语II”是关心听者的自谦表现

明日、オフィスに参ります。

明天,我去办公室。

謙譲語IIでは、相手ではなく、この話を聞いている人に対する配慮として「参ります」となっているのです。特定の相手を立ててはいません。その証拠に、「オフィス」が話し相手のオフィスでなくても使えるのです。

自谦语II中,「参ります」是作为关心听者而不是对方所使用的。没有特定要尊敬的对象。即使不是说话对象的“办公室”也是可以使用。

明日、弟のところにも参ります。

明天,我去我弟弟那里。

こんなふうにも使えますね。

也有这样的用法哦。

「敬語の指針」文化庁より

选自《敬语的指南》文化厅

解説1:謙譲語Ⅱとその典型的な用法

解说1:自谦语Ⅱ极其典型用法

「明日から海外へ参ります 」と述べる場合 「明日から海外へ行きます 」と同じ内容であるが 「行く」の代わりに「参る」を使うことで,自分の行為を,話や文章の相手に対して改まった述べ方で述べることになる。このように「参る」は相手に対する敬語として働く。 この種の敬語は一般に謙譲語と呼ばれてきたが、ここでは謙譲語Iと区別して,特に「謙譲語II」と呼ぶこととする。

「明日から海外へ参ります 」和「明日から海外へ行きます 」说的是同样的内容,但如果动词使用「参る」的话,就将自己的行为用郑重的表达方式传达给说话对象和文章对象。如此一来「参る」就作为尊敬对方的敬语而发挥作用。这类敬语一般被称为自谦语,但为了与自谦语I区分开,所以特称“自谦语II”。

ちなみに、この「ます」は「参る」とセットです。「参ります」として使います。「ます」を省いて「明日、オフィスに参る」とは言いません。

另外,「ます」和「参る」是作为「参ります」搭配使用的。省去「ます」,是没有「明日、オフィスに参る」的说法的。

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