世界経済フォーラム(WEF)による「グローバル·ジェンダー·ギャップ指数」2018年版が12月18日に発表された。調査対象となった149カ国のうち、日本は110位(スコア0.662)だった。

12月18日,世界经济论坛(WEF)发布了“2018年全球性别差异报告”。在作为调查对象的149个国家中,日本排名110位(总得分0.662)。

経済·教育·保健·政治の4分野14項目のデータを元にして、各国の男女の格差を分析した指数。各分野での国の発展レベルではなく、純粋に男女の差だけを評価している。

总得分是以经济、教育、保健、政治四大部分14个项目数据为基础,对各国男女差异进行分析后得出的指数。分数评价的不是各部分中国家的发展程度,而单纯对性别差异进行评价。

14の小項目を集計する際は、標準偏差の偏りを考慮したウェイトをかけている。 ただし、経済·教育·保健·政治の4分野の点数からあみ出される総合点は、平均になっている。スコアは指数が「1」に近づくほど平等で、遠ざかるほど格差が開いていると評価される。

在对14个小项目进行统计时,考虑到标准偏差也加入了权重比例。不过,根据经济(参与经济活动的比例及机会)、教育、保健(健康与生存率)、政治(政治权利的使用)四大部分统计得出的综合分数是取平均分。得分指数越接近【1】越平等,越偏离则性别差异越大。

過去最低を更新した2017年(114位)より日本は4ランク浮上したものの、依然、G7で最下位となっている。

今年日本比2017年(114名),即更新了史上最低记录的名次上升了4位,但依旧是G7集团的最后一名。

*G7集团成员国有:美国(51位)、英国(15位)、德国(14位)、法国(12位)、日本(110位)、意大利(70位)和加拿大(16位)。

 中国排名103位(总得分0.67)。中日均处在平均分之下。

日本が低い順位にとどまっている主な理由は、経済と政治の分野のスコアが著しく低く、いずれも100位以下となっているからだ。経済は117位(スコア0.595)、政治は125位(スコア0.081)だった。

日本排名低的主要原因在于经济和政治部分得分很低,两项排名都在100名之后。经济排名117位(得分0.595),政治排名125位(得分0.081)。

*中国经济排名86位(得分0.653),政治排名78位(得分0.164)。

「経済」分野

“经济”部分

収入での男女格差が大きいこと(103位、スコア0.527)や管理職ポジションに就いている男女の人数の差が大きいこと(129位、スコア0.152)などが大きく影響している。

男女收入差距过大(103位,得分0.527)和管理职位男女人数差距过大(129名,得分0.152)影响较大。

一方で、労働参加率(79位、スコア0.799)や同一労働での男女賃金格差(45位、スコア0.696)は、決して順位は良くないものの、他の項目と比べた格差は比較的小さくなっている。

另一方面,劳动参加率(79名,得分0.799)和同一劳动男女工资差距(45名,得分0.696)的成绩虽然不能说好,但与其他项目相比,差距较小。

*中国劳动参加率(64名,得分0.831);同一劳动男女工资差距(74名,得分0.643);男女收入差距过大(73位,得分0.621);管理职位男女人数差距过大(122名,得分0.201)

「政治」分野

“政治”部分

国会議員の男女比(130位、スコア0.112)、女性閣僚の比率(89位、スコア0.188)、過去50年の女性首相の在任期間(71位、スコア0)の3つの項目が使用されている。

有国会议员男女比例(130名,得分0.112)、女性内阁比例(89名,得分0.188)、过去50年女性首相在任时间(71名,得分0)三个项目。

中でも、女性議員はすべての評価項目の中で最低の順位となっている。

其中,女性议员相关的项目在所有评分项目中排名最低。

*中国国会议员男女比例(59名,得分0.332)、女性内阁比例(113名,得分0.111)、过去50年女性首相在任时间(33名,得分0.076)

「教育の機会」「保健·医療」

“教育机会”、“保健医疗”

残りの教育と保健の2分野で、日本は満点に近い高いスコアを取っている。ただしこの分野は他の多くの国も高得点のため、他の分野が低い状態では、順位は上がらない。

在剩下的教育和保健两大部分中,日本取得了将近满分的高分。但由于大多数国家这两大部分的得分很高,而日本其他部分的分数又远低于他国,因此无法拉动整体成绩。

*而这两部分恰恰是中国的拉分项。教育(111名,得分0.958)健康医疗(149名,得分0.915)

上位の国々は1位から順に、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ニカラグアだった。

排名靠前的国家从第一开始分别是冰岛、挪威、瑞典、芬兰和尼加拉瓜。

世界全体では男女の所得格差の縮小が要因となって前年よりも「経済」分野がわずかに改善した一方で、「教育」「保健」「政治」の3分野でギャップは拡大。全体としてはわずかに改善となった。

全球男女差距整体变小的一大原因是“经济”部分比上一年有所改善,在“教育”、“保健”、“政治”三部分中差距有所扩大。整体而言也只是有些许改善。

「女性にゲタをはかせるのか」は男性社会の「罠」ー三浦まり教授に聞く。

“这不是偏袒女性吗”是男性社会的“陷阱”——三浦まり教授如是说。

日本の順位が停滞しているのはなぜか。どうしたら男女の格差が縮められるのか。ジェンダー·ポリティックスなどが専門の上智大学法学部の三浦まり教授(政治学)に聞いた。

日本的排名究竟为何会停滞不前呢?如何才能缩小性别差距?我们询问了性别政治学专家,上智大学法学部的三浦まり教授。

順位を停滞させる大きな要因のひとつとなっているのは、女性の政治参加が進まないことです。安倍政権は「女性活躍」の看板を掲げていますが、2018年10月に発足した改造内閣で、女性閣僚はたった1人でした。そもそも、女性の国会議員が少ないのです。

导致排名停滞不前的一大原因在于女性参政的进程无法推进。安倍政府虽然大力宣扬“女性活跃”,但在2018年10月的内阁改造中,女性内阁成员只有1人。而女性国会议员原本就很少。

性別で役割が固定されがちな日本では、いまだに多くの女性が家事や育児、そして介護にしばりつけられています。加えて、誰が立候補するのかを決めるのは大抵が中高年の男性議員です。議員になるだけでもいくつもの壁があるのです。

在以性别决定分工的日本社会中,如今依旧有很多女性为家务、育儿和看护所困。再加上决定候补的大多都是中老年男性议员。单是成为议员这条路上就有无数无法跨越的壁垒。

熊本市議会では2017年から18年にかけて、緒方夕佳市議が乳児を連れて出席して厳重注意を受けました。日本の政界で女性議員は、多数派である男性側に「認めてもらう」ことなしにはやっていけない。こうした状況で、何も策を講じずに「自然に」女性議員が増えていくことなどあり得ません。

2017年末2018年初,绪方夕佳市议员因带孩子出席熊本市议会被严重警告。在日本政界,如果女性议员无法得到多数派男性的“认同”是无法走下去的。出于这种现状,如果不改变策略,单纯想让女性议员“自然地”增加是不可能的。

日本の女性国会議員比率はわずか10.1%(2018年10月現在)です。政治学で見ると、最低でもこの割合が30%以上に届かないと、質的な転換が起きてきません。

日本女性国会议员比例只有10.1%(2018年10月)。从政治学上看,这个比例如果达不到30%以上,是无法产生质的改变的。

なぜなら、女性が圧倒的なマイノリティーである環境下では、女性側にも「自分は実力で登用されたのだから『女性』として振る舞うのは嫌だ」「『女性枠』として扱われたたくない」といった反応が出てくるからです。不利な状況にあるのに、女性同士で団結するどころか、むしろ対立してしまう。

究其原因,是因为女性在这种极端少数派的环境下,自己也会产生“自己是凭实力被起用的,所以不想被别人当作【女性】对待”、“不想被看作是【女性】”。明明自身处于不利的状况下,但女性非但不是团结一心,反而站到了对立面上。

政治の場に限らず、「女性は同性の悪口を言うのが好きだから」などとよく揶揄されますが、違いますよ。つねに「多数派に対してどういうスタンスを取るか」を迫られるから、引き裂かれるんです。

不只是政治方面,经常会听到“女人很喜欢说同性的坏话”这样的嘲讽,但事实并非如此。这只是人们迫于“在与多数派对立时,该处于何种立场”的压力而产生的分歧。

日本社会は、「家事や育児、介護などの責任を主体的に担わない人」をモデルとして組み立てられすぎている。政治でも企業でも、「公的領域」と「私的領域」を完全に切り離して物事を進めていくのが「プロ」である、といった暗黙の了解がまかり通っている。ケア労働は女性が無償でやってきたものという意識も根強いから、賃金も低く抑えられています。

在日本社会,很多“不承担家务、育儿以及看护责任的人”被立为榜样。无论是政治还是企业方面,能够清楚划分公私的人才是“专业”的,成为了大家私下的默契。而女性做家务照顾孩子老人就应该是无偿劳动的观念也根深蒂固,因此薪资也被大力压低。

意思決定の場に女性が増えていけば、これまで当然とされてきたそういう仕組みを変えていける可能性があります。逆に、似たような人たちだけで集まって内輪の論理で話を続けていても、社会や経済を成長に向かわせるダイナミズムは生まれてこないでしょう。

如果女性在决议层面的人数增加,以往被视为理所当然的规定就有改变的可能性。反之,一群想法相似的人聚在一起小范围讨论这些伦理话题,也不会为社会经济的成长带来多大的推动力。

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