常に時間に追われ、慌ただしく過ごしている現代日本人。国際的な時間の使い方を比較した研究でも、日本人は「せっかち」という結果が出ているようです。しかし、時間の使い方をよくみると、他国の「せっかち」とは少し異なる面があるようです。

现代日本人常常被时间追赶、匆忙度日。将日本人的时间观念与国际上时间的使用方式相比较进行研究,得出了日本人是“急性子”的结果。不过,就时间的使用方式上来讲,日本和别国的“急性子”还是有着不同的一面。

時の研究家、織田一朗氏が『悪いことだけではない「日本人のせっかち」』をテーマに執筆します。

时间的研究者织田一朗以《“日本人的急性子”并不全是坏事情》为题写了一本书。

衝撃的だった「世界せっかち度」調査

令人冲击的“世界急性子程度”调查

日本人の時間感覚を海外から冷静に観察してきたのが、カリフォルニア州立大学の社会心理学者のロバート・レヴィーン博士だ。1985年に行った調査「日本人は世界一せっかち」は、外電で伝えられ、日本の新聞で取り上げられたことから、大きな話題になった。

从海外的视角,对日本人的时间感受进行冷静观察的便是加利福尼亚州立大学的社会心理学家Robert Levine博士。1985年的调查结果显示“日本人是世界第一的急性子”,这一结果通过外国媒体传入日本国内,登载在日本的报纸上,引起了巨大的话题。

「やっぱり」「まずいよね」。反応は様々だったが、日本人の誰しもが、うすうす感じていることを、白日の下にデータでさらされると、言い逃れもできず、ショックは大きかった。

“果然”“太糟糕了”。民众有着各种各样的反应,不过将这些日本人自身稍稍感受到的事实,通过数据暴露在出来,使其无处遁形,他们还是受到了相当大的打击。

博士が採用した「せっかち度」を測る項目は(1)街中で人々が歩く速さ(2)郵便局員が切手を1枚販売するのに要する時間(3)銀行にかかっている時計の正確さ、で対象は6カ国だった。冷静に考えてみると、「これで国民の『せっかち度』が正確に測れるの?」などと疑問は湧いてくるが、日本人の「せっかちさ」を否定できるわけではない。

博士在测算“性急度”时考量的项目有:(1)街道上人们走路的速度(2)邮局工作人员卖出1枚邮票所需的时间(3)银行里悬挂钟表的准确性,测试对象为6个国家。冷静下来考虑,“仅仅这些真的就能测出国民的‘性急度’吗?”大家不免会有这样的疑问,不过(疑问归疑问)这并没能否定日本人是“急性子”的论点。

「せっかち」な人は生活満足度も高い

“急性子”的人生活满意度高

1985年の調査は、世界でも注目されたようで、1992~95年には対象国を31カ国に広げて再度実施し、調査結果を『A Geography of Time』にまとめ、1997年に出版している。

1985年的调查受到了世界的注目,1992~95又以31国为调查对象再度实施调查,其调查结果汇总于《A Geography of Time》,1997年出版。

2度目の調査では、スイス、アイルランド、ドイツがトップ3を占め、幸いなことに、日本は僅差ながら4位に落ちた。ホッとしたのだが、博士は、事実上は日本がトップだとも付け加えている。日本では客が要求もしないのに切手を小袋に入れたり、領収証を用意したりするなど懇切なサービス行為が所要時間の中に含まれているからだと言う。

在第2次的调查中,瑞士、爱尔兰、德国占据了前3名,日本以些微之差落入第4名。虽然大家都松了口气,不过实际上,博士还是认为第一是日本。因为在日本,就算客人没有要求也会将邮票装入小袋子中,还会为客人准备发票等,这一切诚恳的服务都包含在计算的时间内。

博士の分析によれば、経済状態が健全で、工業化率が高く、人口規模が大きく、個人主義的な価値観が強い国ほど生活のペースが速い(せっかち度が高い)。そして、せっかち度の高い都市ほど心臓発作の確率が高いが、同時に生活における人々の満足度も高いという。

根据博士的分析,经济状态越健全、工业化程度越高、人口规模越大、个人主张的价值观越强烈的国家,生活节奏便会越快(性急度也会越高)。并且,越是性急度高的城市,心脏疾病去世的概率越高,同时人们对生活的满足度也很高。

一方、生活のペースがセカセカしていない「のんびり国」のベスト3はメキシコ、インドネシア、ブラジルだった。気候が温暖なほどのんびり度は大きくなる。

另一方面,生活节奏十分缓慢的三大“悠闲之国”为墨西哥、印度尼西亚、巴西。气候越是温暖悠闲度越高。

日本人は時間の「通」

日本人是时间通

ところが、興味深いことに、日本はこの例外で、せっかち度が高いにもかかわらず心臓発作が少ないらしいのだ。その理由は、日本人の行動様式と価値観にあると分析している。適度な日本式仕事中毒、集団主義、義理を尊重する社会がストレスを緩和しているのだという。

而日本有一处与上文结论不符,值得深思的地方,即日本性急度很高,但因心脏疾病去世的比率相对较低。其理由需要从日本人的行动模式以及价值观进行分析。适当的日本式工作中毒、集团主义、重情重义的社会本身缓和了压力。

博士は複雑な心理時間(内的時計) にもふれている。内的時計は実際の時計よりも速く進む傾向にあるが、外向的な人、肥満気味な人は、心理時間をより正確に測れるなど、性格や環境でも差が出ると指摘している。そして、最後に「多重時間」を身につける重要性を説いている。必要な時にはすばやく動き、プレッシャーが無くなった時にはリラックスすることが大切で、「せっかち」な時間と「のんびり」な時間を使い分けることで時間の束縛から解放される、と結んでいる。

博士还提到了更为复杂的心理时间(内在时间)。内在时间有比实际时间流动更快的倾向,外向的人、体型肥胖的人,能够相对准确地测出他们的心理时间,不过需要指出的是,根据性格、环境的不同也有差距。并且,最后还针对习得“多重时间”的重要性进行了讲解。必要的时候迅速行动,没有压力的时候放松精神是最重要的,通过区分“性急”时间和“悠闲”时间让我们从时间的束缚中解放出来。

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