きみえは、少しホッとした。
(こんなに明るい人もめずらしいな。)
 と思いながらも、暗いよりはいいだろうと思ったからだ。

君绘稍微放下了心。“这么开朗的人简直少见啊。”,她这样想着,觉得比起性格阴沉沉的,还是开朗点好吧。

「あ!」

とつぜんの幸子の声に、きみえは、首をすくめた。

幸子突然“啊!”地叫出了声,君绘听到一下就缩起了脑袋。

「どないしたん。そんなでっかい声出して。」と、今度は少し大きめの声で言うと、幸子ははずんだ声で、「おきがさがあったの忘れとった。うち、かさとってくるわ!」
君绘终于用大一点的声音说,“怎么了呀。响声这么大。”,幸子立刻抬高了音调,“备用伞有是有,但是忘拿了。我去拿伞过来吧!”

幸子は、きみえがとめるひまもなく、うす暗いろうかを階段目がけて走っていってしまった。 きみえは、またため息をついてしまった。
君绘还没来得及阻止幸子,幸子就在昏暗的走廊中朝着楼梯跑了过去。君绘又叹了一口气。

きっと、幸子はさっさと帰ってしまうだろう。しかし、きみえはおきがさを持っていない。また、ひとりで雨が上がるのをまつのだ。
幸子一定会很快回去的吧。但是君绘没带伞。还是自己一个人继续躲雨吧。

そんなきみえの思いをよそに、幸子のはずんだ足音がきみえの耳に飛びこんできた。
正在君绘这么想的时候,幸子急促的脚步声就闯进了她的耳朵。


「ホンマにたすかったあ。さ、早うくつはきかえて。まあ、ふたりやから、少しはぬれるかもしれんけど、ないよりはマシやろ。」
“真是帮大忙了呀。来,快把鞋子换掉。唉呀,因为是两个人,确实有点打湿了,总比没有要好吧。”

きみえの瞳が、幸子ひとりだけを見つめた。幸子は、あいかわらず満面の笑顔をむけている。そして、きみえの手を引っぱり、片手でかさをさした。
君绘眼睛就盯着幸子一个人。幸子还是对君绘满面笑容,然后一只手拉上她,另一只手打开了伞。

校庭は、池のような水たまりがたくさんあった。コンクリートの道は、水たまりでいっぱいだった。くつを前に進めるたびに、水がはねかえる。道路に出ると、よけい水たまりが多くなって、車が走るたびににごった水がふたりのくつやスカートをぬらした。
学校的庭院里变得跟池塘一样,有很多水洼。水泥的小路上也有一个个的水洼。鞋子往前面一踩下去,水就被挑起来了。走出了道路,水洼更多,车每次一经过,脏水就会溅起来打湿两个人的裙子和鞋子。

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