夏の旅

有働 薫 (うどう かおる)

バスが山道を登っていく
道路のでこぼこが車の床やシートから
じかに体に伝わってくる

バスが停まると
そこは透明な別天地
空気が信じられないほど澄み切って
風がガラスの破片のようにちくちくする

時間刻む毎日に
ぴったりとはめ込まれて
それはそれで生活の安定感をくれるのだけれど

山々のすぐ近くにいるという不思議
威厳に満ちた山容に囲まれた緊張
別の時間に中にいる奇跡

UVクリームをしっかりすりこんだ
首筋に強い日差しが当たる

柔らかな長いスカートのすそを
足首にからませながら
あふれ出しそうな川水すれずれに歩いた

このあたりであなたと最初の言葉をかわした

夕方 草に埋もれた小さな店でハーブ茶を飲んだ

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