重慶市で19日、市街地を歩いていた80歳ぐらいのお年寄りが突然地面に倒れこんだ。しかし、周囲の人たちは手足が痙攣している老人に手を差し伸べることなく、ただ見ているだけだった。この一件はネット上で激論を呼ぶことになったが、数年前に南京で発生したある事件が話題にのぼり関心が集まった。24日更新の中国大手検索サイト百度(Baidu)の「検索ワード人気上昇ランキング」に「南京徐ばあさん事件」が登場した。

19日,重庆市市区有位80岁左右的老人突然摔倒在地,但周围人却只是在一旁观看,没人向手足痉挛的老人伸出援助之手。这条报道在网络上引起了激烈讨论,几年前发生在南京的事件也被牵扯出来,引起人们关注。24日更新的中国大型搜索网站百度(Baidu)“检索词人气上升排行榜”上出现了“南京徐奶奶事件”。

倒れている老人を見て誰も助けようとしなかった人々の脳裏にはきっと「南京徐ばあさん事件」が浮かんでいたに違いない。約3年前の2006年11月20日、南京市のとあるバス停で老人が倒れているのを彭宇さんという青年が発見、助け起こしてあげ、病院まで付き添った。しかし、検査の結果脛を骨折している事が分かった老人とその家族は、こともあろうに「彭宇さんがぶつかってきた」と主張し彭さんに数万元の治療費を支払わせようとした。彭さんがこれを拒否すると裁判沙汰となり、1審で彭さんに4万5000元(約63万円)あまりの支払いを命じる判決が出たものの双方ともに上訴し、結局彭さんが1万元あまり(約14万円)を支払う事で和解が成立した。

见到倒在地上的老人却无意帮助的人们肯定想到了“南京徐奶奶事件”。约3年前的2006年11月20日,在南京某公交站,一个名叫彭宇的青年发现有位老人倒在地上,扶起老人并送她去了医院。但检查之后了解到胫骨骨折的老人及其家人却咬定“是彭宇撞的人”,索求数万元治疗费。彭先生予以否认,这事便闹到了法院。1审判决彭先生支付4万5000余元(约63万円),双方均提起上诉,最后以彭先生支付1万余元(约14万円)和解。

このニュースは当時広く報じられ、ニュースを知った人々の中で「下手に人を助けないほうがいい」という認識を生む事になった。同じ南京市では今年2月に象徴的な出来事が2回報じられている。2月15日、南京市の解放路を歩いていた老人が口から泡を吹いて倒れた。通行人はみな見なかったフリをして現場を避けて通っていたが、そこを通りかかったダンス教師が再三躊躇した末にやじうま9名を「証人」に見立ててようやく老人を助けた。翌週の22日には、バスから降りようとした老人がつまずいて倒れた際、「自分で倒れたんだ。安心してくれ」と老人が叫んだのを聞いてようやく乗客5~6人が助けるという4コママンガのオチのような現象が起こった。

这则新闻当时广为播报,知道的人产生了“不可冒失救人”的认识。同在南京市,今年2月报道了2次类似事件。2月15日,在南京解放路走着的老人口吐泡沫晕倒,路人均没看到一样绕开而行,从那儿经过的一名舞蹈老师犹豫再三,找了9名围观的路人作证,还是救助了老人。下周的22日,要下公交车的老人跌倒,听到老人喊“我自己跌倒的,别担心”之后,才有5、6名乘客帮助了老人。真是充满了“戏剧感”。

ネット上では「助けたいという良心はある」というものの、「助けて何万元も取られるなんてまっぴらだ」「助けた奴がバカを見る」「雷鋒(無私の心で多くの人々を救い命を落とした、人民の模範とされている青年軍人)が今の世にいたら、とっくに倒産してる」などといったような意見が多数見られる。専門家は、写真を取ったり録音したりする他、証人を作って潔白を証明できるようにしておく事と、さもなくば速やかに警察や救急に連絡する事が大切だと指摘している。

“有救人之心”,但“救人后被索取数万元,无论如何都不能干”“救人吃亏”“雷锋(无私地救了很多人,最后牺牲自己生命、被树立为人民模范的青年军人)要是在当今社会,早就破产了”,等等,网上很多这样的意见。专家指出,提前要拍照录音,找好证人证明自己的清白,或者马上联系警察和急救,这些很重要。

なんとも生きにくい世の中になったものである。

真是世事艰难啊。

 

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