候文(そうろうぶん)とは、中世から近代にかけての日本で用いられた文体である。「候」という字を文末に用いることを特徴とし、書簡文に広く用いられた。

候文是一种在中世纪到近代使用的日文文体。以在句尾使用助动词「候」为特征的候文,曾被广泛用于书信文中。

かつては、年賀状も候文で書かれることが多かった。今日は、候文で年賀状を書く場合に使える例文をいくつか紹介する。これらは明治から大正の候文の年賀状をイメージしたものである。

在过去,贺年卡也常用候文来写。今天我们就来介绍几种以候文来写贺年卡的例文。这些用候文写的贺年卡总是会给我们留下一种明治到大正时期的候文贺年卡的印象。

候文による年賀状の構成要素

候文贺年卡的组成要素

年賀状というのは定型文の羅列なので、既存の表現を順序正しく組み合わせれば簡単に書くことができるはずだ。以下では、年賀状の構成要素別に、例文を紹介する。

所谓贺年卡,不过是由一些固定的格式跟句型罗列而成,所以我们只要把现有的语句按照正确的顺序排列,应该会很容易的写好一张贺年卡。下面,我们就按照贺年卡的几个组成部分依次来介绍几个例句。

なお、以下の候文の例に振られている読み仮名は、すべて歴史的仮名遣いによるものである。

并且,下面这些候文的例句中所用的“读假名”(注:近似中文注音或拼音的标注),都是根据“历史假名遣”(注:历史假名遣,是以平安前期的发音为基盘,将古代用字、发音增色后的产物,“遣”在这里的意思是“使用”。)所做的标注。

「新年のお慶びを申し上げます」に相当する言い方

候文中“恭祝新年快乐”的说法

まず、年賀状の冒頭部分の例を3つ見てみよう。以下の3つの例はいずれも「新年のお慶びを申し上げます」という意味になる。

首先,我们来看一下贺年卡的开头部分的例文吧。下面的三个例子,都是在表达“恭祝新年快乐”的意思。

新年(しんねん)之(の)御慶(ぎよけい)目出度(めでたくまうし)を申納候(さめさうらふ)。

謹而(つつしんで)改曆(かいれき)之嘉祥(かしやう)を奉賀候(がしたてまつりさうらふ)。

謹而(つつしんで)新陽(しんやう)之嘉兆(かてう)を申述候(まうしのべさうらふ)。

「改曆」 や「新陽」は現在ではほとんど使われない言葉だが、両方とも新年を意味する。新年を意味する言葉としては、「新春」というのもある。

新年というものはよろこばしいものとされている。上の例ではよろこばしさを示す表現として、「御慶」、「嘉祥」、「嘉兆」が用いられている。他にも、「佳慶」という言葉がある。

虽然现在的日语里已经基本上不使用“改历”以及“新阳”这两个词了,但是这两个词都表示“新年”的意思。除这两词之外还有“新春”一词也有新年的意思。

说起新年,总是有种喜气洋洋的感觉。在上面的例文里,“御庆”“嘉祥”“嘉兆”都用来表示新年的喜庆,除这几个词之外,“佳庆”也可以表达同样的意思。

なお、「おめでたい」は「御目出度」か「御芽出度」と書く。

还有,“おめでたい(恭祝)”也有“御目出度”“御芽出度”这两种写法。