日本大学入試問題1999年国語II問題三
来源:沪江博客
2008-07-29 21:26
第3問 |
次の文章は,江戸時代後期に生きた武家の女性が書いた日記の一節である。これを読んで,後の問い(~)に答えよ(配点 50)
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傍線部~の解釈として最も適当なものを,次の各群の~のうちから,それぞれ一つずつ選べ。解答番号は~。
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あっという間に | |
なにごともなく | |
むなしくも | |
いいかげんに | |
心細くも |
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どうしたら涙をとめることができるだろうか | |
どんなに助かりたいことであろうか | |
どれほど面影を心に残しておきたいことか | |
どうしてこの世に引きとめることができようか | |
どういうわけでこの世に未練を残すのであろうか |
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善悪に従って判断し | |
状況に応じて思い直し | |
思い込みで結論づけ | |
理屈によってとらえ | |
正義をたてに決めつけ |
破線部~についての文法的説明として正しくないものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
「れれ」は,動詞の活用語尾に,完了の助動詞「り」の已然形が接続したもの。 | |
「ひぬ」は,動詞の活用語尾に,完了の助動詞「ぬ」の終止形が接続したもの。 | |
「りな」は,動詞の活用語尾に,完了の助動詞「ぬ」の未然形が接続したもの。 | |
「れし」は,尊敬の助動詞「る」の連用形に,過去の助動詞「き」の連体形が接続したもの。 | |
「へる」は,動詞の活用語尾に,完了の助動詞「り」の連体形が接続したもの。 | |
「てぬ」は,完了の助動詞「つ」の未然形に,打消の助動詞「ず」の連体形が接続したもの。 |
傍線部「さなからむには,これにまさる悲しさもあはれさも,えあるまじければ」の解釈として最も適当なものを,~のうちから一つ選べ。解答番号は。
この世に執着があるならば,死ぬことにまさる悲しく耐えがたいことはありえないので | |
死の覚悟がないとしたら,この世との別れにまさる悲しくさびしいことはありえないので | |
人生経験が浅ければ,死別にまさる悲しく心の痛むことはありえないので | |
意識がはっきりしているならば,死にまさる悲しくせつないことはありえないので | |
信仰心がなかったら,死を迎えることにまさる悲しくわびしいことはありえないので |
傍線部「明日こそ知らね,暮れぬ間の今日はあはれなり」から筆者のどのような気持ちがうかがわれるか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
今日無事に夫の十七回忌をいとなむことができ,夫が亡くなってからの年月の流れの早さとわが身の老いにあらためて気づいて感慨にふけっている。 | |
人の命のはかなさに思いをいたし,夫の十七回忌を迎えるまでよくぞ生きながらえたものだと感に堪えない気持ちで歳月の流れをかみしめている。 | |
年をとってから夫と死別して癒(い)やしがたい悲しみを味わい,明日から一人でどのように生きていけばよいか漠然とした不安にかられている。 | |
明日になれば気持ちが紛れるかもしれないと思いつつも,夫の十七回忌を終えた今日は,夫が亡くなった時の悲しみが蘇(よみがえ)ってきて,やりきれなさを感じている。 | |
夫が亡くなり一人になってしまってからの暮らしを心配しつつも,明日のことは誰(だれ)にもわからないのだから,せめて今日一日を大切にしたいと思っている。 | |
夫に先立たれて生きる支えを失ったものの,仏の加護によって今日まで生きながらえて亡夫の十七回忌をいとなむことができることを感謝している。 |
傍線部「されば,この翁の述べたるにて明らかなり」とあるが,何が「明らか」であるのか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
契沖の言うように,臨終に際して悟りがましいことをいうような人は,道理に縛られ,体 | |
契沖の言うように,昔から世の中の人は,心の中で本当に思っていることは決して表にはあらわさず,たとえ貧しくても満足しているように振る舞うことが多いということ。 | |
契沖の言うように,うわべだけつくろって本心を表にあらわさない人たちは日本より中国に多く,白楽天が作った多くの詩も,決して彼の本心が書かれたものではないということ。 | |
白楽天は,人情の機微をこまごまと表現した詩人たちを,自分の心を嘘(うそ)偽りなく語ったと評価しているが,それは決して彼らの本質を言い当ててはいないということ。 | |
白楽天が,世渡りで苦労したあげく,この世は所詮(しょせん)はかない仮のものであり,まったく顧みるべき価値はないと考えて,ひたすら仏道に入るのを望んでいたこと。 | |
白楽天は,家庭の幸せとか富とか出世とかいった世俗的なことはすべて捨てたと,詩の中でいさぎよい言葉を使ってもっともらしく言っているが,それは彼の本心ではないということ。 |
本文全体からうががわれる筆者の考えを説明したものとして最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
夫が死ぬ時に命を惜しんだことを思うと,いつ死を迎えてもこの世に未練はないと悟りの境地に達している人でも,心穏やかに死を迎えるのはなかなか難しいものであると考えている。 | |
二度とはない人生なのだから心やすく余生を楽しみたいと語った晩年の夫の言葉はごく自然なものであり,余生は感情のおもむくままに気楽に過ごすべきだと考えている。 | |
夫が死に臨んで生に執着したように,人間はさまざまな感情をそのまま表にあらわすのが自然なことであり,感情をごまかしたり偽ったりするのは愚かなことであると考えている。 | |
日本とは逆に,中国では喜怒哀楽といった人間的な感情や立身出世などの世俗的な欲望を表にあらわすことをせず,理屈や観念によって押し殺していると考えている。 | |
悟りすました人でも真の悟りに至った人は少なく,家族を大事にせず人情の機微も解さないような,何のとりえもない愚か者の方が,かえって悟りに近いと考えている。 | |
この世のあらゆることを煩悩として退ける仏教は人間の自然な感情を押し殺すものであると批判し,日常生活ではともかく,少なくとも詩歌の中では感情をありのままに表現すべきであると考えている。 |
問20 | 問21 | 問22 | |
正解 | 1 | 4 | 4 |
配点 | 5 | 5 | 5 |
問23 | 問24 | 問25 | |
正解 | 6 | 4 | 2 |
配点 | 6 | 7 | 7 |
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