子供の頃、よく“歴史マンガ”を愛読していた。教科書だといくら読んでも頭に入って来なかった項目が、マンガだとスラスラ入って来るのだ。それまでは、ちっとも歴史なんか好きじゃなかったのに。

小时候,我特别爱读“历史漫画”。教科书怎么读都读不进的内容,只要是漫画就记得倍儿清。在那之前,我一点儿都不喜欢历史。

そして、このマンガ。私の日常には関係がなかったはずの「介護」を考えるきっかけになっている。それも、重過ぎない程度で。

于是来说说这部漫画。它成为我思考本与我日常生活无关的“护理”问题的契机。虽然程度还不至于过甚。

62歳の作者・岡野雄一氏が、認知症の母親とのおかしくも切ない日々を描いた『ペコロスの母に会いに行く』が今、大きな話題を呼んでいるのだ。

《去见洋葱妈妈》一书描写了62岁的作者·冈野雄一与痴呆症的母亲所度过的滑稽却悲伤的日子,现在成了热门话题

ちなみに「ペコロス」とは、直径3~4センチ程度の小型タマネギの品種名。劇中では、息子のツルツル頭を前に「(髪が)見えん。やっぱ見えん!」と目の異常を訴えるも、直に頭に触れると「タダのハゲ茶瓶やったか」と安心する母親の様子などが描かれている。

顺便说一下“ペコロス”是直径在3-4厘米左右的小型洋葱品种的名称。作品中描写了这样一幕:母亲说眼睛看不清,在儿子光光的脑袋前直呼“看不见(头发),就是看不见啊!”,直接抚摸其头部后,她才安下心来——“就是个秃瓢呀!”

……上記のエピソードで、おわかりいただけたでしょうか?この作品では“少しずつ忘れていく母”との日常が、切ないながらも、可愛らしく描かれているのだ。

看了以上所记录的片段,你是否略有心得?“渐渐变得健忘的母亲”的日常生活虽然悲戚,但作品却用了一种可爱的方式进行描述。

そして、このマンガの反響について。まず、作品の舞台である長崎にて、2009年に『ペコロスの玉手箱』が、そして今年の1月に『ペコロスの母に会いに行く』が自費出版で発売されている。特に『ペコロスの母に会いに行く』は、長崎の老舗書店の週間ランキングでベスト1を二ヶ月強キープし続けていたそう。

接着,来说一下关于这部漫画的反响。首先,在作品的舞台所在地·长崎,2009年的《洋葱的玉匣》和今年1月的《去见洋葱妈妈》均为自费出版发行。尤其是《去见洋葱妈妈》一书,在长崎的老字号书店连续两个月强势保持周排行第一的销量。

その後、『ペコロスの玉手箱』と『ペコロスの母に会いに行く』からストーリーを厳選し、描き下ろしの新作を加えた新書『ペコロスの母に会いに行く』(税込み1,260円)が、今年の7月より西日本新聞社から発売されている。

之后,从《洋葱的玉匣》和《去见洋葱妈妈》严选了一些故事,并加上新创作合成的新书《去见洋葱妈妈》(含税1260日元)于今年7月由西日本报社发行。

「現時点で3万部に達しそうな勢いを見せています。また、自費出版でも1500部を売り上げていたそうです」(西日本新聞社・末崎さん)

“现在已经可见达成3万部销量的势头。另外,自费出版的也卖出了1500部。”(西日本报社·末崎)

では、どんな経緯で『ペコロスの母に会いに行く』は日の目を浴びたのか?
「ウチの記者が、書籍出版部にいる私宛てに『長崎に面白い本がある』というメールを送ってきたんです。そこで試しにインターネットで作品の内容を拝見し、3日後には長崎へ向かっていました」(末崎さん)

那么,到底《去见洋葱妈妈》为何会那么大放光彩呢?
“我社记者发短信告知在书籍出版部的我——‘在长崎有本有意思的书’,于是我尝试着在网络上拜读了该作,3天后就直奔长崎而去了。”(末崎)

岡野氏と対面し、作品内容を改めて確認。結果、その場で西日本新聞社からの発売を決断したという。実は末崎さん、当時はご自身も実父の介護問題に揺れている状況だったそうだ。

据说末崎在与冈野先生面对面重新确认作品内容后,便当场下了由西日本报社发行的决定。其实末崎先生自身,当时由于自己父亲的护理问题正处于摇摆不定的状态。

そして、このマンガの主な購入層について。
親御さんの認知症に苦しんだ経験のある方、もしくは現時点で苦しんでいる方からの反響が多いです。辛くなると、親御さんに向かい声を荒げてしまうこともあります。その時の後悔の念がある方から『こんな風に接してあげれば良かった』といったお声も頂いております」(末崎さん)

然后,来说一下关于这部漫画的主要购买人群。
“父母有痴呆症的过来人,或是正为其犯愁的人反响较多。生活一旦变得艰苦,难免出现声讨父母的事儿。也有人对当时的行为后悔不已,觉得‘要是像书里那样对待父母就好了’”(末崎)

また、劇中ではこんなシーンも描かれている。一見、誰もいない場所に手を伸ばし、話しかける母親。周囲は戸惑うが、そこには既に他界した父親が現れている。

另外,作品中还描写了这样的情节。乍一看,母亲在谁都不在的地方伸出手、搭着话,周围的人迷惑不解,其实,在那里出现了早已去世的父亲。

「僕は、母がうらやましいと思う。認知症になって、母の中に父が生き返ったのだから、ボケることもそんなに悪いことばかりじゃないんだ、と」(同書に掲載されている岡野氏のエッセイから)「こういう視点もあったのか」、「不幸ばかりではないんだ」、「肩の荷がふっと下りた」……。介護経験のある方たちより、上記のような反響が多数寄せられているという。

“我呢,觉得很羡慕妈妈。得了痴呆症,在妈妈的心中父亲却生还了,健忘也并不都是坏事。”(选自同一本书中登载的冈野先生的随笔)“也有这样的角度啊”、“也不都是不幸啊”、“一下子卸下了肩头重担”……比起有护理经验的那些人,如上所述的反响更多一些。

       

そんな『ペコロスの母に会いに行く』、なんと2013年公開予定で映画制作(監督・森崎東)も進行しているとのこと。岩松了(主演)、原田貴和子、竹中直人、加瀬亮といった文句なしの豪華キャストとなっているらしく、9月4日にクランクインしたばかりである。

《去见洋葱妈妈》的电影制作也在有条不紊的进行当中(2013年预定上映 导演:森崎东)。据说有岩松了(主演)、原田贵和子、竹中直人、加濑亮等一批豪华阵容的卡司加盟。9月4日刚开始正式拍摄。

映画、非常に楽しみです。一方、特に私が注目してもらいたいのは、岡野氏による“絵”。本当に可愛らしい。惹きつけられる。苦しいであろう介護の日々を、シリアスに、そしてチャーミングに描く一冊でした。

电影固然是非常值得期待的,但另一方面,我特别想让大家注目的是冈野先生的“画”,真的是非常可爱,我也被深深吸引了。这是一本将“护理的日常”用严肃的、充满魅力的手段体现的书。

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