シンディー:中野先生こんばんは、今日もよろしくお願いします。

中野辰宏: はいこんばんは。私の方こそよろしくお願いします。

シンディー :先生、今日のよくある相談は「留学生ですが妻や子供と一緒に暮らせますか」という相談です。

中野辰宏 :なるほど、これも多い相談ですね。遠く日本で暮らす留学生のみなさんにとって、家族のことは一番気になる存在でしょうからね。

シンディー: 先生、ここでいう家族というのは結婚のパートナーと子供のことでしたね。

中野辰宏: はい、その通りです。日本の入管法でいう家族というのは配偶者と子供のことです。このことは今までにも何回も話しましたよね。そのたびにシンディーさんからはお父さんやお母さんは大事な大事な家族だと指摘されましたね。私も全く同感なのですが、とりあえず、入管法上「家族滞在」ビザというのは「配偶者と子供」ということで話しを進めていきますね。

シンディー :分かりました。

中野辰宏: それでは早速ですが、シンディーさんここで大事なことは留学生のビザではワーキングビザではないから原則的に働く事が出来ないということを頭に入れておいて欲しいのです。そして留学生の家族の場合、「家族滞在ビザ」を申請することになるのですが、そのビザでもまた働く事ができないということも理解しておいてください。

シンディー :ハイ、つまり、基本的に働く事ができない「留学生」が、これまた「働くことができない」家族と一緒に暮らす為には、家族全員が「日本で生活できるだけの経済的な能力」が必要だということですね。

中野辰宏: そういうことです。留学生がビザをもらうためには、1年間の学費と働かなくても日本で生活できるだけの「経費支弁能力」を求められています。通常この経費支弁能力については、「学費の免除」「奨学金」「本人の貯金」「親兄弟からの仕送り」等を総合的に判断しているようです。

シンディー: 物価が高いから、留学生一人だけでも日本で暮らすのは大変ですね。でも先生、留学生には週28時間のアルバイトが認められていますね。だからみなさん何とかやっているのではないですか

中野辰宏: 確かに、アルバイトは認められていますが、それはあくまでも学費や生活費を補助することを前提に許可している訳ですから、生活支弁能力を判断する際には対象にはならないと理解してください。 シンディー :そうですね、留学ビザは日本で勉強するのが目的のビザですからね。アルバイトが目的では勉強は出来ませんよね。先生、それは家族滞在者のアルバイトについても同じですね。

中野辰宏 :ハイ、そういうことです。留学生にも家族滞在のビザを認めている理由は「人道上」の理由からです。
だからもう一度整理しますが、留学生が家族を呼び寄せて一緒に日本で暮らそうという場合には、家族の生活費をどのように支弁するのかを証明することが最大のポイントになるのです。

シンディー: 留学生自身が貯金を持っているケースや、本国の親兄弟から仕送りしてもらうケースなど色々ありますが、それを証明するのですね。

中野辰宏: そのとおりです。通常、私費留学生が家族を呼び寄せて生活する場合の基準としては、日本の文部科学省が支給する奨学金と同程度の経済的な裏づけが必要だといわれています。

シンディー :普通日本では二人で暮らすための生活費は毎月15万円位だと考えればいいでしょうか。
中野辰宏 :そうですね、断言する事はできないのですが、学費も含めると年間240万円位になるのかな、やっぱり用意するとなると大変な金額ですよね。だから、この金額を支弁できるだけの能力があるということを証明することができれば、留学生でも家族を呼び寄せて日本で一緒に暮らす事ができるというわけです。

シンディー やはり、お金持ちか、成績が相当優秀でなければ厳しいですね。

中野辰宏: うん、先ず、成績が優秀で学費を全額免除してもらっていること、次に、できるだけ沢山の奨学金をもらっていることですね。そうすれば、親からの仕送りや貯金の額が少なくても済みますからね。

シンディー 先生、留学生のための奨学金は国費奨学金以外にも沢山ありましたよね。

中野辰宏: はい、沢山ありますよ。国費の他には地方公共団体による奨学金や民間団体による奨学金など本当に沢山あります。だから、留学生のみなさんは一生懸命勉強してこれらの奨学金をうまく利用すれば家族の呼び寄せもそんなに難しくはないと思います。留学の目的は勉強ですからしっかり勉強して欲しいですね。

シンディー :先生、奨学金をサーチできるようなWEBサイトがあったら教えてくれますか。

中野辰宏 :はい沢山あるのですが、私は次のサイトをよく見ますね。
財団法人日本国際教育協会    
財団法人アジア学生文化協会   

シンディー: 先生、今日は有難うございました。

中野辰宏 :私の方こそ,有難うございました。