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日本人でも手を焼く、日本語の厄介な人称代名詞

日本人也头疼!日语人称代词很麻烦

長年にわたって日本中国語検定協会の運営に尽力してこられた大先輩の4氏に私の名で感謝状を差し上げる機会があった。

我有幸获得一个以我的名义给四位老师致感谢信的机会,多年来他们为日本汉语检定协会的运营尽心尽力。

さて、その謝辞の文言の書き出しである。「あなたは……」は、どうもお役所めいて好きになれない。つい「あなたの納税額は……」という慇懃(いんぎん)にして無礼な、あの「あなた」に連想がいってしまう。確かに、辞書には「相手を尊重してさす語」とあるが、過去における用法はともかく、現在の時点における私の感覚では、先輩に対して使うのはぐあいが悪い。かと言って、よい代案が思い浮かばない。

然后,致谢辞的开头就把我给难住了。“あなたは……”这种措辞一副官员口气,没法让人喜欢,不知不觉就会让人联想到他们口中的“あなたの納税額は……(你的税款……)”里的那个“あなた”,表面恭维内心却瞧不起。虽说辞典里确实写着这是“尊重对方的说法”,且不说过去是怎么用的,在我看来,现如今要是对前辈用这个词不太合适。说归说,我也想不到其他好的词来代替。

私の気持ちからすれば「先生は……」が比較的落ち着きがいいのだが、賞状には見たことがありませんねと、周りはあまり賛成のようでない。結局、ちょっとものものしいが「貴殿は……」でいこうということになったのだが、後になって、4氏のうち2氏が女性の方であることに気がつき、こちらは「貴下は……」に改めてもらった。

就我个人感觉,“先生は……”这样的说法给人感觉比较稳重,但是周围的人似乎并不赞成,说是没有在奖状上看过这种称呼。最后还是决定用“貴殿は……”,虽然看起来有些过于正式。之后,我又意识到四位老师中有两位是女性,于是又让人帮忙将她们的改成了“貴下は……”。

「貴殿」は明らかに男性に対するものである。「貴下」もどちらかといえば男性に対するもののように感じられるが、他に名案もないのでご辛抱願うことにした。日本語の人称代名詞というのは、実に使い方が難しい。

“貴殿(您,阁下)”这称呼很显然是针对男性的,“貴下(您,阁下)”其实要说起来感觉也是偏男性,但因为确实想不到其他好主意,只好请各位见谅了。日语人称代词的使用实在是很难。

一人称にしても、「わたし、わたくし、ぼく、おれ、あたし、あたい、うち、拙者、吾輩……」と挙げだしたら切りがない。これを相手と自分との距離を巧みに測って使い分けなければならないのであるから、かなわない。日本人である私たちでさえ手を焼くのに、“我、你(您)、他、她”で用が足りている中国人の日本語学習者にとっては、さぞかし厄介なことであろうと同情する。

即便是第一人称,想要一一列举出来也没个头,比如“わたし、わたくし、ぼく、おれ、あたし、あたい、うち、拙者、吾輩……”,使用者必须巧妙推测对方和自己之间的距离来区分使用,真是吃不消。这些称呼的使用就连我们日本人都觉得头疼,更别说用汉语“我、你(您)、他、她”就能搞定的中国人了,想必对他们来说这些代词甚是棘手,我对这些学习者表示同情。

この場合はこれ、別の場合は……、と細かな約束事でがんじがらめにされているものを、単純にして明快な英語や中国語のものと同じように代名詞と称してよいのかどうか。それに「わたくし」にしても「あなた」にしても長すぎはしないだろうか。代名詞として自在に頻繁に使われるものなら、もっと簡単で短いものであってよいはずだ。

在日语中,人称代词被细致的规定所束缚着,某些场合下要用这个,别的场合下则要用那个,那么,将这些和英语、汉语中那些简单明了的词一样称其为代词是否合适呢?另外,不管是“わたくし”还是“あなた”不会太长了吗?作为代名词,要想要让人自由频繁地使用,应该有更加简短的才是。

どの語を選ぶかも厄介だが、その前に代名詞を使ってよいのかどうかの判断も必要になってくる。私の留守中に家人が電話を受けた。不在であることを告げると、「彼は何時ごろお帰りになりますか」と訊かれたという。相手は何年も日本に滞在している留学生である。

虽然选择使用哪个词也很头疼,但在这之前,我们必须得判断需不需要使用人称代词。我不在家的时候家人接到了打给我的电话,在告诉对方我不在后,据说对方问了句“彼は何時ごろお帰りになりますか(他几点左右回来呢)”,问出这话的人是在日本呆了很多年的留学生。

日本人もまちがえる。初級テキストの会話文。

下面是初级教材的对话内容,日本人也容易搞错。

你爸爸在家吗?
不在。他出去了。

「お父さんいらっしゃる?」「いません、出かけています」くらいのやりとりである。“他出去了”の“他”は訳出してはいけない。どうしても訳したいなら「父は」と、訳すべきであろう。原文に釣られて「彼は……」とするのは感心しない。

上面这对话差不多就是日语中“お父さんいらっしゃる?”“いません、出かけています”这样的意思。“他出去了”中的“他”不能翻译出来,如果硬是要翻译出来的话,应该译作“父は”吧。如果上了原文的当翻译成“彼は……”就不怎样了。

執筆者:上野 惠司(うえの けいじ)東京教育大学文学部卒業、大阪市立大学大学院修了、文学博士。長年にわたってNHKラジオ中国語講座を担当した。筑波大学教授を経て、現在共立女子大学教授、日本中国語検定協会理事長。
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