童话 故事 传说
そしてようやく、川の土手につきました。  川には、ひとしずくの水もありません。  川底には、かわいた砂があるきりでした。  カンガルーのボラーは、お母さんの手つきを思い出しながら砂をほりはじめました。  ながい事ながい事ほったので、とうとうカンガルーのボラーはクタクタになってしまいました。  そこで、コアボンに、 「おい、今度は、きみやってくれよ」 と、たのみました。  フクログマのコアボンは、働くのが大きらいです。 「ぼく、なんだか気分が悪いんだ」 と、うそをつきました。 「そうか。それならいいよ」  ボラーはしかたなく、ひと休みしてからまた砂をほりました。  カンガルーのボラーの手は、とてもしびれてきました。  そのうちにようやく、穴のそこに水がにじみ出てきました。  水はだんだん穴にたまって、水たまりが出来ました。  カンガルーのボラーは、いそいで仲良しのフクログマのコアボンのところへ飛んでいきました。 「おい、水が出たよ!」  ボラーの声を聞くと、病気のふりをしていたコアボンは飛びおきました。  コアボンは水たまりに飛んでいくと、頭をつっこんでガブガブと飲みはじめました。  穴の上に、コアボンの尻尾だけがのぞいていました。 「気分が悪いと言っていたくせに、よくもだましたな」  カンガルーのボラーはだまされた事に気がついて、カンカンに怒りました。  それで穴の上にちょこんと出ているコアボンの尻尾を、チョキンと切ってしまったのです。  フクログマの尻尾が短くなったのは、こういうわけなのです。