万葉恋歌 「-藤の章-」(遊佐浩二)4 温暖的手(下)
「窓際のこの席いいねぇ~外の景色がよく見える。あ~何だか眠くなってきた。ん?寝てでもいいよって?じゃあ、すこしだけ。ねぇ、手、握ってでもいい?片手があれば、本読めるでしょ?フフ~君の手、暖かい。緊張してるの?でも大丈夫~何もしないから。おやすみ~」 外はまだ北風が吹いている。でも、手から伝わる彼女の体温は心地よかった。 『吾妹子に恋ひてすべなみ夢見むとわれは思へど寝ねらえなくに』 僕は彼女に恋いをしてしまった。夢の中でいいから、彼女に会いたい。でも、彼女を思うと眠れない。 僕が眠りから覚めても、彼女は変わらず隣で読書をしていた。手はずっと握ったまま…
“靠窗的这个位子真不错呢,能很好的看到外面的风景。啊~~怎么觉得有点想睡觉了。嗯?你说就算睡觉也没关系?那我就稍微睡一会儿。那个,我可以握着你的手么?就算只用一只手,还是可以看书的吧?呵呵,你的手,很温暖,你在紧张么?不过没必要的,因为我不会做什么的。晚安。” 外面还刮着北风,但是,通过手传来的她的体温,让人心情愉悦。 『与妹恋,欲见苦无缘;心求梦中会,辗转不成眠。』 我喜欢上了她,甚至在梦里,也想见她。然而对她的思念,又让我睡不着了。 当我从睡梦中醒来的时候,她仍然坐在旁边看着书,手就这样一直握着……