山登り×幽霊の関係でトラブルを回避できる!?

登山×幽灵可以躲避麻烦吗!?

ボクが山岳会に籍を置いていた頃のことです。

这是我登山时发生的一件事。

アルプスをふらり歩いていた夏休み。日程を順調に消化し、いよいよ山麓のキャンプ地まで帰ろう、という帰路です。当時から面倒くさがりだったボクは、近道しようと地図にない道をずんずん進み、ものの見事にルートをロスト! 気がついたら、獣道を抜けてその先には断崖絶壁が。行くも地獄、戻るも地獄。これってちょっとヤバくない!?

那是个悠闲地攀登北阿尔卑斯山的暑假。按着日程顺利地进行着,到达山麓的营地,然后再回来。当时我嫌麻烦,就抄地图上没有的近道前行。结果迷路了。回过神时,才发现前方是只有野兽出没的断壁绝路。进也不是,退也不是。真是太糟糕了。

途方に暮れていた、その時です。

这个时候,我不知所措。

おっ、あちらで人が手を振っている! 正しい道に戻れたのか? と思って近づくとそこにいたのは、衣服もボロボロで、明らかに遭難者風の男性でした。「もうずっとここにいるんだ。私は動けないから、下山したら捜索隊を呼んでくれないか」と言い、ボクに正規ルートへ戻る獣道を教えてくれたんです。

诶,那里好像有人在招手!难道该向那儿走?一边想一边向那里靠近,这时看到一个衣服破破烂烂,也是遭遇灾难的男性。“我呆在这儿好长时间了。但是我现在不能动,能不能下山为我叫一下搜救队”然后还告诉了我正确的路。

彼のアドバイスどおりに谷をつたっていくと、日没前には、何とかキャンプ地にたどり着くことができました。あぁ、助かった~! さっそく、遭難者の存在を警察に通報し、ほうほうの体で帰京したのです。

按照他的指点我回到了山下。在日落之前,总算回到了营地。啊~得救了~! 赶快,赶快告诉警察有遇难者,然后慌慌张张得回到了东京。

後で気になって問い合わせてみたところ、ボクが遭難者の男性と会った地点には、破れたテントとリュックサックが残されていたのみ。最近まで人間がいた痕跡はなかった、とのこと。

后来有些在意,详细得问了一下。在我和遇难男性相遇的地方,只有破烂的帐篷和登山背囊。根本没有有人在的痕迹。

ゾゾ~。あの人は、遭難寸前でテンパっていたボクが見た幻覚なのか? それとも。山の怪談小説集『赤いヤッケの男』の著者・安曇潤平さんに聞いてみましょう。山には不思議な話が多いといいますが、ボクのような経験談ってあるのでしょうか?

啧啧~。难道那个人是我遇难时的幻觉吗?还是...向山林怪谈小说《穿着红色风衣的男人》的作者・安曇润平先生进行了咨询。在山里经常发生不可思议的事情,有没有和我类似的事情呢?

「ええ。私にもあります。車で山に向かっていたら、突然、男が前に立ちふさがったんですよ。あわてて車を止めて外に出てみると、そこには誰の姿もな い。気味が悪くなって、登山を中止して引き返したら、後になって、その先で土砂崩れが発生していたことが分かりました。山で遭難した方は、最後まで生に対する執念を持っているのでしょう。だから、危うい状況に陥った登山者を見たら、助けてやりたい、という気持ちを持つのかもしれませんね」

“恩,我就遇到过。开着车在山里走着时,突然,有个男的出现在眼前。慌张地停下车,却发现毫无人影,心情变得很糟糕,终止登山计划回家了。后来,在那个地方发生了山崩。在山中遇险的人们,到最后还保持着对生的渴望。因此,看到陷入危险的登山者,就想帮助他们”

確かに、ヨーロッパのアルプスと比べても、日本アルプスは高山帯標高のわりには遭難者が多いといわれています。山岳遭難による死者・行方不明者は年に259人(平成19年分:警察庁まとめ)に及んでいるぐらいですからね。

确实,和欧洲的阿尔卑斯山相比,日本的阿尔卑斯处于高山地带,遇难者很多。在山中遇难的死者、失踪者大约平均每年259人(平成19年:警察厅)

「山の様相は夏と冬で一変します。気楽に歩ける夏の尾根道に何気なく遭難碑が建っていたりしますが、こういったところは、往々にして冬になると遭難多発地点に様変わりするんです」(同)

“夏天和冬天山的样子不同。在夏天可以悠闲散步的山道上树立遇难碑,虽说如此,往往冬天急转突变就成为了灾难多发地。”(同)

安曇さんが綴った山の怪談の中には、遭難者を弔うためのケルン(石積みの塔)を崩してしまった登山者が、霊を下山後の宿に連れてきてしまう――なんて話もありました。遭難された方は、いまも山で登山者を見守ってくれているのかもしれませんね。

在安曇先生讲述的故事中,碰到遭遇悼念遇难者的石塔崩坏的登山者,被幽灵带到山下住宿的地方,这样的故事。遇难的人,到现在还守护着登山的人。

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