日语文学作品赏析《書けない探偵小説》
ピカピカ光る太陽の下を
……ハテナ……今のは、お化粧をした死骸じゃなかったか知らん……。
と思うトタンに胸がドキンドキンとする。背中一面にゾーッと冷たくなる。ソンナ探偵小説が書きたい。
美人を絞殺して
その空屋の借手がないために、屍体がいつまでもいつまでも発見されないでいる。
タマラなくなった犯人が、素人探偵を装って屍体を発見する。警察に報告して、驚くべき明察を以て自分の犯行の経路を
或る殺人狂の極悪犯人が、或る名探偵の存在を恐れて是非とも殺して
そうすると不思議にも、今まで恐怖という事を知らなかった名探偵が、極度にその極悪犯人を恐れるらしく、秘術を尽して逃げ惑うのを、犯人が又、それ以上の秘術を尽して
二人の屍体を引上げて、色々と調べてみると、犯人は探偵の昔の恋人であった美人が、変装したものであった。……といったような筋はどうであろうか。
トロツキーが
トロツキーは成功した。やがて池の底から金玉
「どうだい。釣れたかね」
トロツキーがビックリして振返ってみると、それはレニンであった。
トロツキーは今
「ウワア――ッ。幽霊だア――ッ」
レニンはニヤリと笑ってアトを見送った。草の中から王冠を拾い上げて撫でまわした。
「アハハハハハ俺が死んだ事を世界中に確認させるトリックには随分苦心したものだ。しかしあのトロツキーまでが俺の死を信じていようとは思わなかった。
トロツキーは俺の筋書通りに動いてくれた。
といったような探偵小説が、日本では書けないだろうか。
或る海岸の崖の上の別荘に百万長者の未亡人と、その娘が住んでいた。二人ともなかなかの美人であったが、娘の方がイツモ何者かに
未亡人と娘は名探偵に
ところがその娘が或る日、崖の
それからその娘の頭が、崖の下の岩角に触れる迄の何秒かの間に、今までの一切の不可思議がグングン氷解して行った。その何秒かの間の彼女の回想の高速フィルムの全回転が、そっくりそのまま驚愕と、恐怖に満ち満ちた長篇小説として書けないものであろうか。
人跡稀な山奥の火葬場で人を焼く
そのうちに美しい令嬢の失恋自殺屍体が生き返っているのを発見して自分の妻にしてしまう。隠亡をやめて遠国に住んで、美しい妻と共に一生を楽しく暮す。
その思い出話といったようなものが、一千一夜式に書けないものだろうか……。
何かと書いて来るうちに、お約束の六枚になった。ところで読返してみると、これが即ち探偵小説と申上げ得るものはタダの一つもない。みんな大人のお
……ハテナ……。
俺は一体、何を書きたがっているのだろう。
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