「れいわ」「めにゅー」「としょかん」。これらの言葉をみなさんはどのようなアクセントで発音しているだろうか。最近、あらゆる言葉を平たく発音する人が増えてきた。平板化する日本語アクセントの謎について、放送関係者や専門家などがその見解を示す。

「れいわreiwa (令和)」「めにゅーmenyuu(菜单)」「としょかんtoshokann (图书馆)」。大家平时是用怎样的声调读这几个词语的呢?近来,把所有词都念得毫无起伏的人渐渐增多。电视广播业界人士和专家对日语音调的平板化之谜表达了看法。

「このレタスがまた、シャキシャキしてて美味しいですね~」

“这生菜脆脆的,真好吃啊~”

テレビのバラエティー番組を見ていて違和感を覚えた。レポーターが、通常は1拍目にアクセントを置く「“レ”タス」を「レ“タス”」と平たく発音したのだ。(※アクセントの高いところにダブルクオーテーションマークを入れて示しています)

看电视综艺节目时总感觉哪里不对。原来是采访者把重音一般在第一个音的「“re”ta su」念成了「re“ta su”」。(重音部分用双引号括起来)

このところ、どこかに下がり目のある「起伏型」で発音されてきた言葉を平坦に発音する人が増えている。言語学では「アクセントの平板化」と呼ばれる現象だ。新元号「令和」のアクセントが「“れ”いわ」か「れ“いわ”」かで、テレビ各局の方針が分かれ、最終的に内閣府が「どちらでもよい」と答えたことも話題になった。

近来,将发音在某处下降的高低型词语念成o调的人正在增多。在语言学中,这被称为“音调平板化”现象。各电视台对于新元号令和的音调是高低型「“re”iwa」还是平板型「re“iwa”」的问题上意见不一,最终内阁政府回应“都可以”还引发了热议。

「平板化をどこまで受け容れるか、その見極めはひじょうに難しい。苦渋の作業の結果が、これです」

“很难判断可以接受的声调平板化界限在哪里。最终苦思冥想后的结果是这个。”

こう話すのは、元NHKアナウンサーで現在はNHK放送文化研究所の主任研究員、滝島雅子さん(52)だ。「これ」とは、民放を含む全国の放送局でアナウンサーやナレーターなどが参照する『NHK日本語発音アクセント新辞典』を指す。

说这句话的是前NHK主播,现NHK放送文化研究所的主任研究员·泷岛雅子(52岁)。所谓“这个”,是指包含民放电视台在内的全国范围的电视台播音员、解说员所参考的《NHK日语发音音调新词典》。

2016年、18年ぶりに行った改訂では、NHKの全アナウンサー498人から約1万2千語の「アクセントの要修正候補」を洗い出し、最終的に約3300語のアクセントについて変更が加えられた。

2016年,时隔18年进行的修订中,NHK全体498位播音员选出了一万两千个词语的“主要的音调修正候补词”,最终更改了近3300个词语的音调。

この改訂により、以前は「起伏型」とされていた「ウォーキング」「ユーザー」「ラベル」などが、今後は平板型で問題なしとなった。

本次修订规定,以前音调是“高低型”的“ウォーキング步行”“ユーザー用户”“ラベル标签”等词的发音也可以采用平板型。

「平板化は今に始まったことではありません。遡れば大正6年、言語学者の佐久間鼎が『ガラス』『インキ』などの外来語が平板化している、と報告しています。静かに、ひたひたと平板化は進んでいて、若い人ほど平板型が進行しているという印象です」

“音调平板化并非刚开始出现。最早可追溯到大正6年,语言学家佐久问鼎提出‘ガラス玻璃’‘インキ墨水’等外来语发音正在向平板化发展。音调平板化正在悄然发展。感觉年轻人促使音调平板化发展越来越快。”

「平板化」はなぜ起きるのか。言語学者の井上史雄さん(77)は、著書『日本語ウォッチング』の中で指摘をしている。「省エネ効果」、つまり実際に話すときに平板型の方が起伏型よりも「ラクだから」というもの。たしかに「と“しょ”かん」と「と“しょかん”」を比べると、後者は腹筋への負担は少ないさらに平板型は、「アクセントを覚える手間がない」という意味でも省エネだという。

为什么会出现“平板化”这一现象呢?语言学家井上史雄(77岁)在著作《日本语观察》中指出了这一点。“节能效果”,即因为在真正说话时,平板型音调比高低型更加“放松”。确实,「to“sho”kann」与「to“shokann”」相比,后者对腹部的负担更少。而且,平板型的好处是“不用花时间精力记音调”,这一点也算得上节能。

狭いコミュニティーで特別感を得たい場合にも、平板化は起きる。井上さんはこれを「専門家アクセント」と呼ぶ。
ある分野に専門的に携わる人は、その分野に関係のある外来語を平らに発音する傾向があるのだという。たとえば音楽業界の人が「ギ“ター”」「ド“ラム”」などと平板に言い、それが徐々に一般にも広まっていくのだ。

想在小众群体里获得特殊感,也会发生声调平板化。井上学者将其称为“专家音调”。专门从事某个领域工作的人很容易把那个领域相关的外来语读成0调。例如音乐界的人会把吉他读成「gi“taa”(吉他)」、鼓念作「do“ramu」,久而久之,这些读法也渐渐地扩散到了普通人群中。

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