「あー」や「えーっと」といった会話の合間をつなぐだけの言葉は、意味がないのでなるべく使わないほうがいいとされています。特に英語では「Like」(訳注:ほとんど意味のない「まあ、その」などに相当する間投詞)は忌み嫌われています。「そんな言葉を使っているとバカだと思われるよ」「なめられる よ」といった忠告を耳にしたこともあるでしょう。しかし、ある言語学者の説によれば、こうしたつなぎ言葉にも重要な役割 があり、そうやみくもに会話から排除するべきではないのだそうです。

人们指出像「あー」「えーっと」这类只是连接谈话间隙的词,是没有实际意义的,最好尽可能不要使用。尤其是在英语中,“like”(注释:几乎没有意义,与「まあ、その」之类相似的间投词)是为人嫌弃的。“使用这样的词会被认为是傻瓜”、“会被瞧不起的”我们也听到过诸如这样的忠告。然而,根据某位语言学家的观点,即使是这种连接词,也有其重要作用,不能随便从会话中删掉。

その学者とは、シドニー大学で言語学を研究するN.J.エンフィールド教授です。『How We Talk: The Inner Workings of Conversation』(どう話すか──会話のメカニズム )という本の著者でもある教授は、Quartzに寄稿したコラムで、つなぎ言葉は、発言権をこちらにキープしておくのに役立っていると主張しています。友人との和やかな雑談でも、職場でのミーティングでも、会話の参加者の間で発言権のやりとりが行なわれる状況では、つなぎ言葉が効果を発揮するのだそうです。エンフィールド教授はこう述べています。

这位学者就是在悉尼大学从事语言学研究的N.J.Enfield教授,著有《How We Talk: The Inner Workings of Conversation|如何说话:会话机制》一书,在他向Quartz投稿的专栏里,曾主张连接词的作用是维持说话者一方的发言权。无论是同友人一起的亲切闲聊,还是职场会议中,在谈话的参与者之间,交换发言权的状况下,接续词都发挥着其作用。Enfield教授这样叙述道:

誰かと会話している時は、お互いに納得 のいくルールとして、相手とのやりとりの流れをコントロールする、言わば「交通信号」を用いる必要があります。

我们在与某人交谈时,需要使用“交通信号”来作为能相互理解的规则,控制同对方的交流过程。

そして、つなぎ言葉もこの交通信号の1つだというのです。

接续词也是交通信号的一种。

まったく空気を読む気のない人は別として、普通は相手が話すのをやめたところで言いたいことは終わったと解釈します。そして、今度は自分が話す番だと判断するものです。では、話者がつなぎ言葉を全く使わない場合を想定してみましょう。その人は考えを練り 、言いたいことをまとめている最中です。でも、その間をつなぐことなく、ただ黙り込んでいます。会話に沈黙が生まれます。すると当然ながら、ほかの人が「黙っているのは、言いたいことは済んだからだ」と解釈して、そこに割り込んできます。エンフィールド教授はこうした状況でのつなぎ言葉の役割を、以下のように説明しています。

撇开不懂得察言观色的一类人,一般情况下,我们在对方不再说话的时候会认为对方想说的已经说完了。以此来判断接下来轮到自己发言了。那么,现在我们来假设一下说话者完全不使用接续词的情况。说话者正在提炼想法,正在总结想说的话。但是在这个空档时,没有接续词,只是陷入沉默。在交谈时产生了沉默。于是理所当然的,其他人便会理解为“沉默表示想说的已经说完了”,可以在这时插话了。Enfield教授对这种情况下接续词的作用,作了如下说明。

つなぎ言葉は、あなたが今すぐに意見を述べられる状態にないことを示す交通信号です。「少々お待ちください。まだ話は終わっていません。まもなくいつもの送信状態に戻りますから」と伝えているわけです。

接续词是用来提示你现下不能直接说出意见的情况的交通信号。即向对方传达“请稍等。我还没说完,马上就恢复的送信状态。”的意思。

確かに、同じつなぎ言葉でも「ところで」や「そういうわけで」「さて」といった、より格式高い表現を使うこともできます。そうはいっても、言葉の習慣はその人に深く染みつい ていて、なかなか治せるものではありません。それに正直いって、そこまで目くじらをたてるほどのことでもありません。

确实,即使同为接续词,也可以使用诸如「ところで」、「そういうわけで」、「さて」此类更为礼貌的表现方式。虽说如此,人们的语言习惯却已根深蒂固,很难改变。而且说实在的,也不至于吹毛求疵到这个地步。

また、つなぎ言葉が会話に役立つとはいえ、公の場での講演などではその効果は発揮されないという点は、エンフィールド教授も指摘しています。講演のように確実に自分の側に発言権がある場であれば、話が途切れるたびに誰かが乱入 することを心配する必要はないでしょう。それに、公の場で話す場合はカジュアルな会話とは違い、よどみなく話して話題を完全に把握しているところを見せなければなりません。

另外,Enfield教授也指出:虽说接续词对谈话起作用,而在公共场合的演讲等情况下,接续词则发挥不出其效果。像演讲这种自己的发言权是被确保的情况下,就没必要担心说话中断时有人闯进来(插话)了。而且,在公开场合的发言情况与平时的会话不同,必须向大家展示出你流畅的发言以及对话题的充分掌握度。

たとえそれが即興 のスピーチであっても、そのトピックについて熟知しているという印象を聞いている人に与えるべきでしょう。つなぎ言葉を連発して、次に言うことを探しているという印象を与えたのでは、発言に重み がなくなってしまいます。

即使是即兴演说,也应该给听众留下你对所说话题很熟悉的印象。若连续使用接续词,会给人一种你在寻找接下来要说什么的印象,这样的发言便失去了分量。

それでも、次に言うべきことを探している間に気まずい沈黙 が続く状況は望ましくありません。これに対してエンフィールド教授は、そもそも私たちはなぜつなぎ言葉を使うのか、その理由を根本から考えて、1つの解決策を提案しています。つまり、ゆっくり話すのです。スピーチの場合、矢継ぎ 早に言葉が交わされる普段の会話のように話す必要はありません。自分が決めたペースで話せばいいのです。ゆっくり話すよう心がければ、考えを練り上げるための余裕が生まれます。また、緊張とは無縁 の、威厳 ある話し手という望ましい印象を聞き手に与えることもできるでしょう。

尽管如此,在思考接下来应该说什么的空档时, 出现令人尴尬的持续沉默情况是人们不希望看到的。对此,Enfield教授对于我们到底为什么要使用接续词,从根本上追究其原因,在此基础上提出一个解决方案。那就是慢慢地说话。演讲的场合中,没必要像平时的会话一样快速地表达自己的意见。只需要根据自己的节奏进行发言就行了。如果不慌不忙地表述,就会产生深入思考的时间。另外说话者也会给予听话者一种不紧张的、有威严的好印象。

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