先日、久しぶりに夏目漱石が描かれた千円札を見つけました。久しぶりにとはいっても、筆者が物心ついたときには既に野口英世ばかりだったので、もともと漱石さんにお目にかかる機会は少なかったのですが。

前几天,时隔许久,发现了一张印有夏目漱石肖像的一千日元纸币。虽说是时隔许久,但自打笔者记事起,一千元纸币上就基本都是野口英世,因此原本在纸币上看见夏目漱石的机会就很少。

お札のデザインが変わると、新札が流通し、旧札は私たちの周りから消えていきます。前回は2004年11月に新デザインのお札が発行開始されました。

纸币设计改变,新版纸币流通,旧版纸币就从我们周围消失不见。上次新版纸币发行是在2004年11月。

もちろん、政府が新札に統一しようと働きかけるわけですが、それまで使っていた旧札はどこに消えてゆくのでしょうか。

当然,政府会积极推动新版纸币的统一,那么那些使用过的旧版纸币去向何处了呢?

紙幣の一生

纸币的一生

紙幣が印刷されてから消えるまでの動きをたどってみましょう。

让我们来追寻纸币从被生产出来到消失的过程吧。

日本の紙幣は「日本銀行券」と呼ばれますが、これらを印刷しているのは日本銀行(日銀)ではなく「国立印刷局」です。

日本的纸币叫“日本银行券”,印刷纸币的不是日本银行(日银)而是“国立印刷局”。

日銀は、国立印刷局で印刷された紙幣を引き取り、景気などの動向に応じて必要な紙幣の量を判断します。そのうえで、各地方に置かれた日銀の支店の窓口で、銀行などの金融機関と紙幣をやりとりします。

日银领取国立印刷局印刷的纸币,根据经济的景气程度等动向来判断必要的纸币发行量。除此之外,在各个地方设置的日银支行的窗口,与银行等金融机构进行纸币的交换。

各支店の総元締め的な役割を果たしているのが、日銀の「発券局」という部署。東京・日本橋や埼玉・戸田にセンターを持っていて、支店との連絡や、金融機関とのやりとりをしています。

担任各分行总结算任务的是日银的“发券局”,这一机关在东京的日本桥和琦玉的户田均设有中心,负责进行与分行的联络和金融机关的交流。

こうして日銀から市中の金融機関に出た紙幣は、ATMや銀行窓口などを通じて私たちのもとへやってきては、また別の人やお店へと流れていきます。

于是从日银分散到全市各个金融机关的纸币就通过ATM和银行窗口来到我们身边,接着又到别人手上或者店铺里。

古いお札を日銀で処分

日银处理陈旧的纸币

上の図に金融機関から日銀への矢印があるように、金融機関は紙幣を定期的に日銀へ持ち込んでいます。つまり、市場に出た紙幣はいつか日銀に戻ってきます。ここで、古くなった紙幣は廃棄されます。

如上图从金融机关到日银的箭头所示,金融机关定期将一些纸币上交给日银。也就是说,分散出去的纸币某一天还是会回到日银。在这里,变旧的纸币就会被处理掉。

日銀が行う、偽札がないかや汚れ・破れの程度、枚数のチェックを「鑑査」といい、流通に適するものだけを再び金融機関に払い出します。使えない紙幣は細かく裁断され、トイレットペーパーなどにリサイクルされたり、燃やされたりしています。

日银进行的,对纸币真伪的检验、对污损程度以及纸币数量的检查,叫做“鑑査(鉴定检查)”,只有还能流通的才会再次交给金融机关。不能用的纸币会被裁剪成细条,回收做成厕纸,或者烧掉。

ちなみに、知っている方も多いかと思いますが、汚れたり破れたりした紙幣は、ある程度原型をとどめていれば交換してもらえます。3分の2以上残っていれば全額、5分の2以上3分の2未満であれば額面の半額の価値を認められます。それ以下の場合は、残念ながら紙幣としての価値はなくなり、交換してもらうことはできません。

顺便说一下,或许有很多人都知道,污损的纸币如果在某种程度上保持原型的话,可以去银行换取新的纸币。纸币的3分之2保留完好的话,可以换取与之前等额的纸币,纸币的完好程度5分之2以上3分之2不到的话,则是之前金额的一半。若是完好程度在此以下,则很遗憾,它已失去了作为货币的价值,不能换取新的纸币了。

旧札から新札への切り替えの時期には、この鑑査を通じて旧札を回収し、新札に交換しています。紙幣の寿命は、千円札や五千円札が1~2年、一万円札が4~5年といわれているので、そのくらいで新札と旧札がおおよそ入れ替わることになります。

在新旧纸币交替时期,日银通过“鑑査(鉴定检查)”来回收旧版纸币,换成新版纸币。一千日元和五千日元的纸币寿命为1~2年,一万日元纸币的寿命为4~5年,所以新旧纸币大概就按照这个周期进行更迭。

一方で、日本はタンス預金が多く、特に一万円札の入れ替えは滞りがちです。流通経路にはだんだん出にくくなりますが、家庭に眠ったまま交換されないものが少なくないそうです。前回は2004年11月から新札の流通が始まりましたが、翌年2005年の8月時点で、一万円札の切り替え率は55%にとどまりました。

另一方面,日本的“衣柜存款(不存储在银行等金融机关,而是存放在家里的钱)”很多,特别是一万日元的更换经常受到阻碍。据说许多一万元纸币渐渐淡出市场流通,在家里长眠,没有被交换。上次,2004年11月开始新版纸币流通,但是直到第二年2005年8月,一万日元的更换率也仅为55%。

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