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実は、これは当然のことなのだ。日本人は羊を数えては眠れないのである。それどころか、かえって目が冴えてしまうのである。
 
其实这是理所当然的。日本人数羊反而睡不着。非但如此,头脑会更加清醒。

○日本原本没有羊
 
ユーラシア大陸とアフリカ大陸、そしてそこから渡っていった南北アメリカ大陸とオーストラリア、ニュージーランドなどの人たちにとって、羊というのは実に馴染み深い動物である。ちょっとした田舎に行けば、そこら中にいる。生活に密着してはいるが、ある意味退屈な動物というイメージは、誰の脳裏にも自然に浮かんでくるのである。
 
对于欧亚大陆、非洲大陆、以及从这两个大陆移民到南北美大陆与澳洲、新西兰等地区的人来说,羊是司空见惯的动物。随便到哪儿的乡间都能看到。尽管与生活紧密相关,可在某种意义上却是无趣的动物,任何人脑子里都能随便浮现出羊的形象。
 
一方、日本には明治以前には羊という動物は存在しなかった。江戸時代にはウールの道中合羽が普及していたらしいのだが、その原料の羊毛は輸入に頼っていた。だから、鎖国とは言っても、完全に国を密閉していたわけではない。 
 
而另一方面,日本在明治以前却是没有羊这种动物的。江户时代虽然比较流行羊毛防雨外套,可原料羊毛却依赖进口。因此,当时虽说是锁国,可国家并非完全封闭。
 
日本に羊が入ってきたのは、明治時代にウールの軍服を国産でまかなう必要に迫られて以降である。ところがそれ以来今日に至るまで、日本の羊の数は全然増えていない。そのため、たいていの日本人にとって、羊は画像でしか馴染みのない動物なのである。
 
日本在明治时代,迫于维持国产羊毛军服的需求,开始引入羊。然而时至今日,日本的羊群总数却完全没有增加。因此,对于大多数日本人来说,羊是只能在图像中看到的动物。
 
「眠れないときは、羊を数えるとよい」と言われ、医学者までが「単調なことを心に思い浮かべると眠気を誘う」などとお墨付きを与えるものだから、誰でも一度は試したことがあると思うのだが、医学者は医学の専門家であっても、比較文化学の専門家ではない。日本人は羊そのものをイメージするために、かえって脳に緊張を与えてしまうということを見逃しているのである。
 
常言道“睡不着时数羊就行”,医学家也强调“心里浮现单调的事情能让人萌生睡意”,所以任何人都应该尝试过,可医学家毕竟只是医学专家,不是比较文化学专家。他们忽略了一点:日本人为了想象羊这种动物,反而会让大脑更加紧张。