親から子どもへの虐待。近年、児童相談所へ寄せられる報告件数も年々増加している。その数は昨年4万件にのぼった。

近年来儿童咨询处收到的关于父母虐待儿童的报告数量逐年增多。去年达4万份。

長崎県大村市にある「大村椿の森学園」。私たち撮影スタッフを迎えてくれたのは、底なしに明るい子どもたちだった。7歳から18歳までの35人。初めて見るカメラや音声機材に目を輝かせながらじゃれついてきた。 「なんだ、普通の子どもたちと変わらないじゃないか」。

长崎县大村市的“大村椿之森学园”,迎接我们摄制组的是一群无比开朗的孩子。从7岁到18岁共35人。第一次见到相机和音声器材的他们嬉笑着围了过来。“嗯?和普通的孩子没什么两样嘛?”

しかしそんな気持ちはすぐに打ち砕かれ、現実を知ることになる。今まで私たちと遊んでいた中学生の女の子がいきなりキレて小学生の首を絞めはじめたのだ。周りの友だちが必死に止めようとするが、その手を払い除け、暴れる。彼女がキレた原因、それは男の子の手が誤って女の子にあたってしまった、というものだった・・・。

但这种想法马上就被打破了,现实露出了本来面目。一直和我们玩的中学生中有个女孩突然掐住了一名小学生的脖子。周围的朋友试图拼命阻止她,她却把朋友的手推开,闹了起来。据说突然发作的原因是那个男孩子手不小心碰到了她…

暴れる女の子を止めようとしたある女の子に私たちは話を聞いた。マリコさん15歳。母親からタバコを押しつけられたり、殴られたりしてきたという。ここにきて2年。しかし彼女も友だち同様、暴力が止められないという。

女孩被阻止后我们对她进行了询问。麻里子今年15岁,从小被母亲用烟烫或者殴打,来这儿2年时间。但据说她对朋友也一样,控制不住地施加暴力。

「母親からされたことを自分もしている。暴力はいけないとはわかっているけど、止められない」苦しそうに語る彼女の姿から、虐待による心の傷の深さを改めて実感した。

“从母亲那儿受到的自己也在做。虽知道不能有暴力行为,却停不下来。”从她痛苦的叙述里,重新切实体会到了她心灵上因受虐待而受到的伤害之深。

椿の森学園には地元の小中学校の分教室があり、子どもたちは日中、そこで勉強している。しかし、授業が始まってもみんな、じっとしていることができない。歩き回ったり、抜け出したりする子が続出する。

椿之森学园在当地的中小学校里设有分教室,孩子们白天就在那儿学习。但开始上课后大家仍没办法集中精力。不断有孩子来回走动或者溜出教室。

私たちは教室を抜け出した1人に話を聞いてみた。小学6年生のハヤト君。5年前、母親の育児放棄で保護され、この施設にきた。普段から昆虫を観察したり、魚を採ったりして過ごすハヤト君は子どもらしく、虐待のトラウマに苦しんでいるようには見えなかった。しかし夜が深まるにつれ、ハヤト君の姿が“豹変”する。消灯時間後、不安から寝ることができず、荒れてしまうのだ。昼間の人懐っこい表情は消え、攻撃的で暴力的な一面が表出する。寝るように諭す職員には悪態をつき、私たち取材班にも絡み出す。

我们试着和一个溜出教室的孩子进行了谈话,是小学6年级学生勇人。他5年前被母亲抛弃,受到保护来到该机构。勇人平时会观察昆虫、捉鱼等,完全是个正常的小孩子,看不出为受虐的精神创伤而痛苦的痕迹。但随着夜晚来临,勇人的样子会“突变”。一过熄灯时间他就会因不安而无法入眠,变得暴戾。白天易于亲近的表情消失了,开始展现出攻击性和暴力的一面。会对劝他睡觉的职员脏话相向,也开始对我们采访团队胡搅蛮缠。

どうにも感情をおさえられなくなった時、ハヤト君が一番慕っている職員がやってきた。主任児童指導員の中島喜伸さんだ。中島さんの姿を見たとたんハヤト君は涙を流し、「キツイ。こんな生活もう嫌だ」と訴える。このやりとりは夜ごと繰り返されているという。育児放棄によるトラウマがハヤト君を毎晩苦しめているのだ。母親は夜、息子をおいて外出していた。当時、小学1年生だったハヤト君は、寂しさから夜の街を徘徊するようになる。それから5年。今でも夜が怖いのだ。

在无论如何都无法安抚他的时候,勇人最敬慕的职员终于来了,是主任儿童指导员中岛喜伸。勇人一看到中岛的身影就流开了眼泪,并倾诉说:“难受。我讨厌这样的生活。”据说这样的事情每天晚上都会发生。勇人每晚都深受育儿放弃造成的精神创伤的折磨。母亲晚上丢下儿子出走了,当时还是小学1年级学生的勇人因为寂寞孤单而徘徊于夜晚的街道。虽已历经5年,现在他仍恐惧黑夜。

【受虐儿童】心灵创伤难以抚平(下)

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