次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

世界の諸民族のあいさつを調べてみると、(中略)握手に代表されるような相互的なあいさつはきわめてめずらしいことがよく分かる。それはたいていの社会で、身分や地位や役割がはっきり定まっているからにほかならない。また、毎日の軽いあいさつがおこなわれる社会が少ないというのは、それらの社会では人々はもっぱら家族や親族や部族など所属する社会集団の成員として生きていて、個人としての役割があまり認められていないことと関係している。そうした集団内では、物のやり取りなどの際にも、普通あいさつはいらないのである。たとえばインドでは家族や友人の間では普通感謝の表現は行われない。かえってタブー視されるのだが、家族の食卓で塩を手渡してもらっても「ありがとう」という欧米流は、家族が一体になって暮らす社会では、むしろ「他人行儀」なことなのだろう。
日本人もいつのまにか家族のなかで「ありがとう」を繰り返すようになった。しかも、それは文句なしによい習慣と考えられているようだ。それは家族が身を寄せ合うようにして生きていた暮らしがすっかり過去のものになり、人間関係が様変わりしたことを如実に物語っている。

問1 「相互的なあいさつはきわめてめずらしい」とあるが、なぜか。
1 多くの社会では、人々の身分や役割がきまっているから。
2 身分や地位に関係なく、握手が代表的なあいさつだから。
3 毎日の軽いあいさつが行われるのが、あたりまえだから。
4 世界の諸民族では、身分や役割がまだはっきり定まっていないから。

問2 インドについての説明として正しいものはどれか。
1 個人としての役割が認められているので、普通家族に「ありがとう」と言わない。
2 家族の食卓で塩を手渡してもらって感謝の表現を使わないことは、タブー視される。
3 家族や親族などの社会集団の成員同士の間では、感謝の表現がよく使われる。
4 家族が一体となって暮らす社会なので、あまり「ありがとう」と言わない。

問3 日本についての説明として正しいものはどれか。
1 「ありがとう」がよい習慣と考えられるのは、人間関係が変わって個人としての役割があまり認められていないからである。
2 かつては家庭の中で感謝の表現はあまり使われなかったが、最近はよい習慣と考えられて頻繁に使われる。
3 昔から家庭の中では感謝の言葉がよく使われていたが、最近は文句なしのよい習慣として定着している。
4 家庭の中で感謝の言葉がよく使われるのは、家族が身を寄せ合うようにして暮らしているからである。

答え:1 4 2
解析:
問1 “互相寒暄极为少见”为什么?原文接着说了“这是因为一般社会人的身份、地位、作用都规定得很清楚的缘故”,显然选1;
問2 文中关于印度人的叙述只有一句话“たとえばインドでは家族や友人の間では普通感謝の表現は行われない”,所以答案显而易见;
問3 作者说了“日本人也不知道从何时开始在家里重复使用起“谢谢”来了”。也就是说,以前日本人在家里不使用感谢的言辞。选项1意思反了。选项3“昔から家庭の中では感謝の言葉がよく使われていたが”错误。选项4在家里使用起“谢谢”来是因为“家族相依为命的生活已经成为历史”,不是因为“身を寄せ合うようにして暮らしているから”。

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