ヒント:

书名和作者的名字也需要听写。


* ほど

* 汝水

* ほとり

* 眼

* 我が

* 頻りに

* 声を追うて

* 駈ける

* いつしか

* 途(みち)

* しかも

* 攫む

* 身体(からだ)

* 充ち満ちる

* 跳び越える

* 気が付く

* 肱(ひじ)

* あたり

* 既に

* 初め


书写方式参考:【听写规范】日语听写酷听写规范(2013年5月版)


あらすじ

唐の時代、かつての郷里の秀才(しゅうさい)で官職に就いていた李徴は、自分の現状に満足できずに詩人として名を成そうと辞職する。しかし、自負心が強いくせに臆病で、才能のないことを自ら認めようとせず、努力を怠った李徴は挫折。発狂して山へ入り、行方不明になってしまった。翌年、彼のかつての友人が旅の途中、山中で出会った李徴は、己の心の負の部分(虎)に負け、ついには本当の虎になりつつあった。人間の心があるわずかな間に事情を語った李徴は、夜明けと共に虎に変身して咆哮(ほうこう)と共に姿を消した。

解説

中島敦の漢文調の文章は音読すると気持ちがいい。漢文は中国語ではなく日本語なのだが、そこには本来の大和言葉とは違う硬質なニュアンスがあるからだ。『山月記』もストーリーだけでなく、文章に入り込んでいる「残月」といった漢語のきらびやかさを味わってほしい。「倨傲」「憤悶」「慙恚」など普段使わない言葉を読むのは楽しいものだ。作品の肝となる「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」は仰々しい言葉だが、実は今生きる人たちの中にもある。たとえば、自分の力を出し切らずにあきらめてしまう、といったことがそれだ。その瞬間に人は虎になってしまう。現代の日本人でも十分に共感できるメッセージである。

山月記 中島敦
今から1年ほど前、自分が旅に出て汝水のほとりに泊まった夜のこと、一睡してから、ふと眼を覚ますと、戸外で誰かが我が名を呼んでいる。声に応じて外へ出て見ると、声は闇の中から頻りに自分を招く。覚えず、自分は声を追うて走り出した。無我夢中で駈けていく中に、いつしか途は山林に入り、しかも、知らぬ間に自分は左右の手で地を攫んで走っていた。何か身体中に力が充ち満ちたような感じで、軽々と岩石を跳び越えていった。気が付くと、手先や肱のあたりに毛を生じているらしい。少し明るくなってから、谷川に臨んで姿を映して見ると、既に虎となっていた。自分は初め眼を信じなかった。次に、これは夢に違いないと考えた。

距今大约一年以前,我羁旅在外,夜晚宿在汝水河畔。一觉醒来,忽然听到门外有谁在叫自己的名字。应声出外看时,那声音在黑暗中不停召唤着自己。不知不觉,自己追着那声音跑了起来。在**不顾一切**的奔跑中,路不知何时通向了山林,并且不知何时自己是用左右双手抓着地面在奔跑了。整个身体似乎充满了力气,遇到巨岩时轻轻一跃即过。等我意识到时,小臂和肘弯那里似乎都生出了绒毛。到天色明亮一些后,我在山间的溪流边临水自照,看到自己已经变成了老虎。
起初我不敢相信自己的眼睛。接着又想,这一定是在梦里。