「それから」「そして」「それで」は,一見,同じような文脈で用いられる,ほとんど同じ接続詞のように見えますが,実は違いがあります。石黒圭(『文章は接続詞で決まる』pp.56-60)の分類で,「それから」と「そして」が「整理の接続詞」の「並列の接続詞」,「それで」が「論理の接続詞」の「順接の接続詞」に分けられているのは,そうしたタイプの違いを反映しているのでしょう。

「それから」「そして」「それで」乍一看是表示同一种上下文逻辑关系,几乎是一样的接续词,实际上是有区别的。根据石黑圭(《文章是由接续词决定的》pp.56-60)的分类,「それから」和「そして」被分为“整理总结型接续词”当中的“并列型接续词”,「それで」被分为“逻辑型接续词”当中的“顺接型接续词”,从这样的分类就可以看出它们类型的不同。

まず,同じ「整理の接続詞」に分類される「それから」と「そして」の用法について見ていきます。次の例(1)と(1’)は,有名なロシア民話の『おおきなかぶ』の一節です。どちらの文が自然に感じられるでしょうか。

首先,我们看一看同样被分类为“整理总结型接续词”的「それから」和「そして」的用法。下面的例(1)和(1’)是著名的俄罗斯民间故事《大大的芜菁》的一段节选。哪一个句子读起来感觉更自然呢?

(1)おじいさんがカブを引っぱって,おばあさんがおじいさんを引っぱって,孫がおばあさんを引っぱって,犬が孫を引っぱって,それから猫が犬を引っぱって,それからネズミが猫を引っぱって…。

(1’)おじいさんがカブを引っぱって,おばあさんがおじいさんを引っぱって,孫がおばあさんを引っぱって,犬が孫を引っぱって,そして猫が犬を引っぱって,そしてネズミが猫を引っぱって…。

「それから」と「そして」は,どちらも「並列の接続詞」ですが,等質のものを並列する際には,「それから」が使われます。「それから」で結ばれる前後の情報は軽重がないため,「それから」は複数重ねて使用することもできます。一方,「そして」は,「そうして」の縮約形で,「そう」と「して」から成りますが,「そう」が引き受けた前の文脈の帰結を後ろで述べる際に用います。そのため,「そして」の前後の文脈は等質のものではなく,「そして」の後ろにより重要な内容が書かれるので,「そして」の複数使用は困難です。例(1)と(1’)では,「猫」や「ネズミ」だけが特に重要な登場人物ではなく,等質の登場人物が並列されていると考えられるため,「それから」を使うのが自然です。

「それから」和「そして」,无论哪一个都是表示“并列的接续词”,但在等质的东西并列时,使用「それから」。用「それから」连接的内容前后是没有轻重之分的,可以在复数重叠的时候使用「それから」。另一方面,「そして」是「そうして」的缩略形式,是由「そう」和「して」组成的,在后面叙述前面的逻辑内容时使用「そう」。因此,「そして」的前后的内容并不是等质的,「そして」后边的内容更加重要,所以要用「そして」来表示复数是非常困难的。例(1)和(1’)当中,“猫”和“老鼠”不是特别重要的登场人物,考虑到是等质的登场人物并列的情况,所以使用「それから」更为自然。

次に,時間的な並列を表す例を見てみます。次の(2)では,連続する2文に「それから」と「そして」が使われていますが,この2つの接続詞は入れ換えられるでしょうか。

下面,我们来看一下表示时间并列的例句。下面的例子(2)中,在连续的两个句子当中使用「それから」和「そして」,这两个接续词可以相互替换吗?

(2)① 彼らは部屋に入るとコートを脱ぎ,畳んで補助椅子の上に置き,それから僕をスチール製の事務椅子に座らせた。② そして僕の向かいに漁師が座った。

(2’)① 彼らは部屋に入るとコートを脱ぎ,畳んで補助椅子の上に置き,そして僕をスチール製の事務椅子に座らせた。② それから僕の向かいに漁師が座った。

*选自村上春树《舞舞舞》

(2)と(2’)は,「それから」と「そして」を入れ換えても意味が通じないことはありません。しかし,入れ換えることで「僕」の気持ちはやや変わると考えられます。「それから」は,「それ」と「から」から成り,前後の文脈の時間的な関係を表します。「そして」は,上記の通り,「そう」と「して」から成ります。「それから」の「から」が時間的な区切りを明示するのに対し,「そうして」の「して」は連続性を持つため,(2)は,文①と文②が一連の動作の連続性を持ち,文②が文①の帰着点であると感じられます。つまり,「コートを脱ぎ」「畳んで補助椅子の上に置き」「僕をスチール製の事務椅子に座らせた」のは,「僕の向かいに漁師が座った」という文②を説明するための前置きであると読めます。一方,(2’)は文①の「コートを脱ぎ」「畳んで補助椅子の上に置き」という動作の帰着が,文①の「僕をスチール製の事務椅子に座らせた」という3つ目の動作であるため,文②の「漁師が座った」という動作には,独立性が感じられます。

(2)和(2’),就算「それから」和「そして」互换,意思还是明白的。但是,替换之后,“我”的心情就有了些微改变。「それから」是由「それ」和「から」组成的,表示前后文的时间关系。「そして」如上文所述,是由「そう」和「して」组成的。与「それから」的「から」明确地表示了时间的阶段相比,「そうして」的「して」则带有连续性,因此,例(2)当中,句①和句②有一连串的动作的连续性,所以句②有句①的归属点的感觉。也就是说,“脱掉外套”、“叠好放在辅助椅子上”、“让我坐在铁制的办公椅子上”,是为了说明句②“渔夫坐在我的对面”而设置的引子。另一方面,例(2’),因为句①当中的“脱掉外套”、“叠好放在辅助椅子上”这两个动作的归属,是句①当中的“让我坐在铁制的办公椅子上”这第3个动作,所以句②的“渔夫坐在我的对面”这个动作,我们可以感受到它的独立性。

続いて,「論理の接続詞」の「それで」を見てみます。「それで」は「順接の接続詞」で,前に述べたことが原因で後ろに述べる結果になる場合に使われます。次の(3)の「それで」は,「それから」や「そして」に置き換えることが可能でしょうか。

接下来,我们来看看“逻辑型接续词”的「それで」。「それで」是“顺接型接续词”,在前面叙述的内容是原因,后边叙述的内容是结果的情况下使用。下面例子(3)当中的「それで」,可以用「それから」和「そして」替换吗?

(3)① すごく弱い光よ。② ずっと奥の方から洩れてくる蠟燭の光みたいなの。③ それで私,誰かが蠟燭をみつけて,それをつけてるんだなと思ったわけ。

(3’)① すごく弱い光よ。② ずっと奥の方から洩れてくる蠟燭の光みたいなの。③ それから/そして私,誰かが蠟燭をみつけて,それをつけてるんだなと思ったわけ。

*选自村上春树《舞舞舞》

例(3)と(3’)は,文①と②で,話し手が見た状況を説明し,文③で,それを見た私は「誰かが蠟燭をみつけて,それをつけてるんだなと思った」という結果を述べています。文①・②と文③は,原因と結果という因果関係にあるため,「論理の接続詞」である「それで」が用いられています。「それから」や「そして」は「整理の接続詞」で,前後の事柄を並べてつなぐ働きをしますが,因果関係を積極的に示す働きはないため,例(3)で用いると不自然になります。もちろん,並列関係と因果関係,どちらに解釈しても問題ない場合にはどれも使えます。例えば(4)のようなものです。

例(3)和(3’)中,句①和句②对说话人所见情况进行了说明,用句③叙述看到这个情况之后的我“觉得是某人找到了蜡烛,然后点燃了它吧”这样的结果。因为句①·②和句③,有原因和结果的这层因果关系,所以使用“逻辑型接续词”——「それで」。「それから」和「そして」是“整理总结型接续词”,可以将前后的事态并列连接起来,但没有积极地表示着因果关系,所以在例(3)当中使用是很不自然的。当然,并列关系和因果关系都解释得通的情况下,使用哪一个都可以。比如例(4)。

(4)テーブルの上に赤ワインのボトルが置いてある。それから/そして/それでワイングラスが二つ置かれている。

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