作家の野坂昭如さんが2015年12月に85歳でなくなりました。野坂さんは2003年に脳梗塞で倒れて以降はリハビリを続けながら文筆活動を続けました。そのメインの連載のひとつが2007年から「新潮45」(新潮社)に連載された「だまし庵日記」でしょう。この連載原稿は死の数時間前まで書かれており、このすべての連載と、複数のエッセイを収録したものが「絶筆」(新潮社)です。

作家野坂昭如在2015年12月去世,享年85岁。2003年,野坂因脑梗塞病倒,之后边复健边仍然坚持写作。其中最主要的作品之一是2007年在《新潮45》(新潮社)开始连载的《欺骗草庵日记》。这份连载的原稿一直创作到他死前的几个小时,所有的连载和多篇随笔皆收录在《绝笔》一书(新潮社)中。

自分を語る人

阐述自我的人

野坂昭如さんの小説というのは実体験をベースにしたと思われるものが多くありました。戦火を終われ、妹を亡くした体験を記した「火垂るの墓」は、直木賞を受賞しました。さらに戦後の混乱期を生き延びた様子や、放送作家となりCMの作曲家や、ラジオ番組制作を手がけるなど業界人として活躍した様子も小説として記されています。これらの小説のもとになる見たままの体験をつづったものが日記だったのではないでしょうか。

野坂昭如的小说大多被认为是以他个人的实际生活经验为基础来创作的。他撰写的以二战结束时妹妹身亡经历的《萤火虫之墓》曾获得直木奖。之后,他把存活于战后混乱期的人生百态用小说的形式记录下来,并作为播放作家、CM的作曲家以及广播节目的制作人活跃于各个业界。不断积累这些成为小说原型的经历,才造就了连载日记吧。

日本が変わる

日本的改变

野坂さんが「新潮 45」に日記を連載していた時期の日本はめまぐりしく情勢が変わっています。2009年には自民党から民主党への政権交代が起こり、2011年には東北、関東地方を大きな地震がおそいます。野坂さんはこれらの大事件を、事件としてとらえながらも、少し俯瞰した目線からとらえます。それは、戦後の混乱期に比べれば、といった年長者の見方であったのかもしれません。野坂昭如さんの人生が日本の戦後史そのものであったともいえるでしょう。

野坂在《新潮45》上连载日记的时期,正是日本在不断循环变化、改变国情的时期。2009年,日本发生政权交替,从自民党手中交给了民主党。而2011年,东北、关东地区发生了强烈的地震。野坂将这些大事件,既把它们作为事件看待,也稍稍用俯瞰的角度来评价。也许只有年长者才会有独到的见解,把这些事情与二战后的混乱期相比较吧。野坂昭如的人生可谓正如日本二战后历史的真实写照吧。

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