女優デビューから10年、ドラマや映画、舞台などさまざまなフィールドで活躍してきた倉科カナ。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』で主演を務めた清楚なイメージがありつつ、昨年は月9ドラマ『カインとアベル』で兄弟の間で揺れる大人の女性を、そして今年は『奪い愛、冬』で元カレと再会したことから恐怖の泥沼に落ちていくヒロインを熱演するなど、今後の活躍がますます期待されている。最新出演作の映画『3月のライオン』では主人公の桐山零にとって癒しの存在とも言える川本三姉妹の長女・あかりを演じている倉科に、今作の撮影秘話から役への想い、そして憧れの女優についても語ってもらった。

出道10年,活跃在电视剧、电影、舞台剧等各种领域的女演员仓科加奈,曾在NHK连续电视小说《Welkame》中担任主演,其清新的形象深入人心,去年在月九剧《该隐与亚伯》中饰演在两兄弟之间摇摆不定的成熟女性角色,今年又在电视剧《夺爱之冬》中,全情投入地出演与前男友再次相遇而陷入恐怖的情感泥沼的女主人公,她日后的活跃也会受到越来越多的期待。仓科加奈在最新出演的电影《3月的狮子》中,饰演对于主人公桐山零如同治愈般的存在的川本三姐妹中的长女川本明里,仓科加奈在本作的摄影秘话中,讲述了有关角色的一些想法以及她所仰慕的女演员等话题。

デビュー当時、10年前から挑戦したかった役だった

这是10年前我刚出道的时候就想挑战的角色

羽海野チカの大ヒットコミック『3月のライオン』を原作に、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督と再びのタッグとなる神木隆之介主演で実写映画化された今作。幼い頃に両親と妹を亡くし、父の友人である棋士の幸田に引き取られた桐山零(神木)。深い孤独を抱えながら中学生でプロ棋士の道を歩みはじめた零は、ふとしたことから和菓子屋を営む川本家の3姉妹と知り合い、彼女達と温かい食卓を囲むうちに自分の居場所を見出していく。3姉妹の長女・あかりは亡き母親の代わりに妹達の面倒を見ながら昼も夜も働いて家族を支えている。強さと優しさの両方を併せ持つあかりというキャラクターを“原作を読んだときから演じてみたいと思っていた”と倉科は語る。

电影《3月的狮子》是以羽海野千花的大热同名漫画为原作,有着指导《浪客剑心》系列的大友启史导演以及神木隆之介主演的双重招牌的漫画真人改编电影。主人公桐山零(神木 饰)自幼失去父母和妹妹,被父亲的好友同时也是棋手的幸田收养。满怀孤独而在初中时开始走职业棋手的道路的零,偶然间结识了经营点心店的川本家的三姐妹,零与她们一起围坐在温暖的饭桌前,那时零觉得找到了自己的栖身之处。三姐妹中的长女川本明里代替已故的母亲照顾两个妹妹,要昼夜工作来支撑整个家庭。对于既坚强又有着温柔性格的明里这个角色,仓科说道:“从我刚开始读原作的时候就很想要出演这个角色。”

「ちょうどデビュー当時に原作のコミックが発売されて、リアルタイムで読んでいたんです。その時に漠然と“あかりさんを演じたい”と思ったのですが、その10年後にあかりさん役をオファーして頂けて本当に嬉しかったです。奇跡のように感じて“必然かな?”なんて思ったりしました(笑)。ただ、好きだからこそ演じるのが怖かったというか、読者の方が持つあかりさんのイメージを壊してもいけないですし、人気のキャラクターだけにプレッシャーを感じました」

仓科加奈:在我刚出道时,刚好是原作漫画发售的时候,当时我就在追这部漫画。那时候就模糊地有了“想要扮演明里这个角色”的想法,10年后接受到饰演明里这一角色的邀请真的非常开心。感觉像是奇迹一样,心里会想“这莫非是必然吗?”(笑)。但正因为喜欢,对于饰演这个角色也有些恐惧,因为不能破坏了读者们印象中明里的形象,由此感受到了超人气角色带来的压力。

どのようなところに魅力を感じて“川本あかり” を演じることを熱望したのだろうか。

对于“川本明里”您是感受到了什么样的魅力而让您强烈地渴望饰演这个角色呢?

「私の母は健在ですが、境遇や家族の関係性などが川本家やあかりさんとどこか似ているような気がしました。性格面においてもあかりさんは穏やかで明るくて温かい面しか周りに見せず、強くあらなきゃと、きっと心の内側ではいろいろなことを抱えていると思うんです。実は私も家族に対して弱さを見せないようにしている部分があるので、あかりさんに自身を重ねて“演じてみたい”と思ったのかもしれません。似ているぶん役作りはしやすかったように思いますが、演じるのは凄く難しかったです。大友監督も“あかりさんを演じるのは難しいよね”とおっしゃっていました」

仓科加奈:虽然我母亲还很健康,但我的境遇和家庭关系跟川本家的明里感觉很相似。性格方面明里平静又明朗,她一直以温暖的面目对待周围的人,自己也必须要变得坚强,我想她的内心一定背负着很多东西。其实我自己在对待家庭方面也不会表现出软弱的一面,因为我性格里面也有这样的部分,所以我大概是想要借明里这个角色来再次演绎我自己吧。虽然饰演跟自己有相似之处的角色貌似比较容易,但实际演绎起来还是非常的有难度。大友导演也曾说过:“饰演明里还是挺难的啊。”

「あかりというキャラクターは、“男性が思う理想の女性像”のような存在、ある意味ファンタジーだったりメルヘンのような存在だと思うんです。だからこそリアルに演じすぎてしまうと、地に足がついていないフワッとしたキャラクターに見えてしまう。どんなことを日々考えていて、その思いをどのぐらい表に出しているのかなど、悩みながら演じることが多かったように思います。監督は私のことを信じて任せてくださったので、試行錯誤しながら演じていました」

仓科加奈:明里这个角色,是“男性心目中的理想女性”的存在,我认为她就像是带有童话般幻想的存在。所以我在实际演出中如果演得太过,就会让角色看起来不够脚踏实地。我常常烦恼着每天她应该想些什么,她的心思要表达到哪种程度等等,要演绎的内容还很多。因为导演信任我并将角色托付给我,所以我在演绎的同时也在不断地反复摸索。

辛い過去により閉ざされた零の心を開く川本3姉妹は、今作にとって非常に重要な役どころである。それだけに大友監督は川本家にピッタリの家をセットではなく実際に人が住んでいる家を探しまわって見つけたという。更に姉妹の関係性を完璧にするべく、クランクイン前には3姉妹を演じたキャストだけの“お泊まり会”が実施されたことも明かしてくれた。

仓科加奈:打开了因心酸的过去而关闭心扉的零的心门的川本三姐妹,是本作中非常重要的角色。所以大友导演没有打造适合川本家的布景设置,而是找了实际居住的人家作为拍摄地点。为了进一步增进姐妹的关系,开拍前还组织了一次只有三姐妹的饰演者参加的“过夜聚会”。

「次女・ひなた役の清原果耶ちゃんと三女・モモ役の新津ちせちゃんと一緒にスーパーに食材を買いに行って、みんなで夜ご飯を作ってお片づけをして、私がちせちゃんをお風呂に入れて果耶ちゃんがちせちゃんのお着替えをさせて…といった感じで寝るときも川の字で寝ました(笑)。本当に3姉妹のように私達だけで過ごす時間を作って頂いたんです。そこでしっかりと関係性を築くことができたからなのか、撮影中は監督からの演出はほとんどなかったように思います。こういう経験は初めてですし、2人とも凄く可愛くて楽しい“お泊まり会”でした」

仓科加奈:我与饰演次女川本日向的清原果耶,以及饰演三女川本桃的新津知世一起去超市买食材,大家一起做晚饭并收拾东西,我帮知世洗澡,果耶帮知世换衣服,睡觉的时候我们也是这样睡在一起(笑)。我们就像真正的三姐妹一样度过了那段时光。在那里我们逐渐筑起了友好的关系,后来在拍摄时几乎不用根据导演的指导来演出。这样的经验我还是第一次经历,那两个人也都非常可爱,真是度过了一次愉快的“过夜聚会”啊。

いつも何かと闘っている

一直以来跟什么在战斗

瞳をキラキラと輝かせながら見せる笑顔は優しくて穏やか。ところが女優業に対する話になると一転、真剣な眼差しで“私はいつも闘っています”という言葉が飛び出した。

仓科的眼中总是闪着光芒,笑容又温柔又平和。然而谈到关于演员事业的话题,她突然一转,眼神认真地说出了“我一直在战斗”这样的话。

「女優というお仕事は勝ち負けがハッキリした将棋の世界とは違いますし、これをやったからこれができるようになるといったセオリーもないんです。だからこそどんな現場も毎回必死で挑んでいますし、ハッキリもっとお芝居が上手くなりたい、もっと作品に馴染んだキャラクターにしたい、など自分を追い込むことも多くて…。メンタル的にも体力的にもハードなお仕事なので、自分自身と向き合いながら私はいつも闘っています。私にとっては“向上心=闘うこと”なんだと思います」

仓科加奈:女演员的工作与胜负立分的将棋世界不同,因为做了这一行才知道能够做得好并不能依靠理论。所以不管在什么样的现场都会拼命地挑战,想要变得更擅长演戏,想对作品中的角色更加熟悉,也会逼迫自己去做很多努力。这是个精神上和体力上都很艰辛的工作,所以我总是在和自己作斗争。我个人觉得“上进心=战斗”。

つい先日最終回を迎えたドラマ『奪い愛、冬』では、元カレと再会したことで元カレの妻から恐ろしい嫌がらせを受けるヒロインを演じていた倉科。“反響が多くて嬉しいです。『奪い愛、冬』ではサンドバックのようにすべてが受け身のお芝居でした(笑)”。昨年は月9ドラマ『カインとアベル』にも出演しており、話題作が続いたことで芝居に対する意識の変化もあったという。

在前几日迎来最终话的日剧《夺爱之冬》中,仓科饰演了与前男友再会并遭受前男友的现任妻子的恐怖的找茬的女主角。“这部剧反响热烈我很高兴。在《夺爱之冬》里我其实是像沙袋一样被动地在演戏(笑)”。仓科去年也出演了月九剧《该隐与亚伯》,因为连续出演了话题作,对于表演的想法也产生了变化。

「私は私自身のことを、個性がないぶんヒール役から悲劇のヒロインまでいろいろな役に化けることができるのではないかと思っています。それが長所でもあり欠点でもあるのかもしれません。家族を守りたいとか支えたいという思いで10年間お芝居してきてアウトプットが続いたのと、『奪い愛、冬』が予想以上に強烈で全てを出し切ってしまったのか精神的にも体力的にも少し疲れてしまって…(苦笑)。今後はこの先10年のあり方を考えながら、ゆっくり“倉科カナ”と向き合おうかなと思っています」

仓科加奈:对于我自己来说,从没有个性的反派角色到悲剧的女主角,我总是在想我是否能把各种各样的角色之间变化演绎好。我认为这可能既是优点也是缺点。因为我想守护并支撑家庭,所以这10年间一直持续输出戏剧作品,《夺爱之冬》比预想的更加拼尽全力,精神上和体力上都稍有些疲惫(苦笑)。今后要好好分析这10年来的状态,同时也要好好地面对“仓科加奈”这个角色了。

女優を続けて10年。もうすぐ30代に突入する。今後どんな役を演じていったらいいのか悩んでいる時期だという。そんな彼女に憧れの女優を聞いてみるとハリウッド女優の名前がいくつか挙がった。

连续做了10年女演员,马上就要进入30代了。到了要烦恼以后演什么角色的时期。当提及所仰慕的女演员时,她列举了几位好莱坞女星的名字。

「ミシェル・ウィリアムズの『テイク・ディス・ワルツ』や『ブルー・バレンタイン』、ケイト・ウィンスレットの『とらわれて夏』などを観ると、女性特有の繊細な艶かしさの表現が素晴らしいなと感動するんです。キャリー・マリガンも大好きなのですが、いま名前を挙げさせて頂いた3人は完熟した内面を持っていて、なおかつお芝居にもちゃんと反映できている。どうしたら彼女達のような女優さんになれるんだろうと単純に憧れます」

仓科加奈:我看了米歇尔·威廉姆斯(Michelle Williams)主演的《跳支华尔兹》和《蓝色情人节》、凯特·温斯莱特(Kate Winslet)主演的《劳动日》之后,觉得她们把女性特有的细腻娇艳表现得非常好。此外我也很喜欢凯瑞·穆丽根(Carey Mulligan)。刚才提到名字的三位演员都有着成熟的内心,并且能够恰当地反映在戏剧作品中。我向往着如何才能成为她们那样优秀的演员。

左起凯特·温斯莱特、凯瑞·穆丽根、米歇尔·威廉姆斯

『テイク・ディス・ワルツ』や『とらわれて夏』といった作品から、彼女が“大人の女性”を主人公とした物語への出演を望んでいる事がわかる。倉科カナは自分と“戦い続けて”そこを目指している。一方、どんな役にもなれると語る倉科だが、“本来の自分”を見つめなおす時、どんな風に自分をリフレッシュしているのか。意外な答えが返ってきた。

通过《跳只华尔兹》和《劳动日》这样的作品,仓科加奈渴望演绎将“成熟女性”作为主人公的故事。仓科加奈在与自己“不断地战斗”并以此为目标。另一方面,不管谈论什么样的角色,仓科在重新审视“本来的自己”的时候,都能马上重新振作,给出令人出乎意料的答案。

「日本舞踊と写経が趣味ですね。昔はジグソーパズルが趣味だったんですけど、作っていくうちにどんどん溜まっていくんですよね。それで今度は塗り絵を始めたのですが、色が鮮やかすぎて…。撮影で照明を浴びたりするので、休みの日にカラフルな塗り絵はキツくて早々にやめたんです。そのあとテレビを見ながら“知恵”や“故郷”など二文字を筆ペンでひたすら紙の表裏に書いていたのですが、それを客観的に見てみたら“ヤバい! わたし病んでる!”と思って(笑)。そこから写経に行き着きました。文字を書いていると頭の中が整理できてリフレッシュになるんです」

仓科加奈:跳日本武和抄写佛经是我的爱好哦。以前觉得七巧板拼图也很有趣,可以在制作过程中不断地积累。现在开始玩涂色画,虽然颜色有些太鲜艳…因为摄影时总沉浸在灯光照明中,所以一到休息日时就会想要做色彩鲜艳的涂色画。然后一边看电视一边用水彩笔一心一意地在纸上涂写“知惠”或者“故郷”等这样的双字词语,客观地看这种活动的话就会觉得“完了,我有病!”(笑)。于是就会去抄写佛经了。但在涂写文字的时候,脑中可以整理思绪然后就能恢复精神了。

最後に、最近観た作品から“あること”を学んだというエピソードを話してくれた。

最后,仓科提到一个小插曲,说她从最近看的作品中学到了“某些事”

「お休みの日に『ゴッドファーザー』と『ゴッドファーザー PART II』を続けて観て、そのあと『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』を観たんです(笑)。チャーリー・ブラウンが好きな子に対してカッコいいところを見せたいのにいつも失敗してしまうお話で、努力はしているのになかなか良い結果が出せないんですよね。それでもチャーリーは物語の後半で好きな女の子から交換日記の相手に選んでもらえるんです。チャーリーが“どうして僕を相手に選んでくれたの?”と尋ねると“だってあなたいつも優しいじゃない”とその女の子が答える。」

仓科加奈:休息日的时候,我连续看了《教父》和《教父2》,之后又看了《I LOVE 史努比 THE PEANUTS MOVIE》(笑)。该片讲述了查理·布朗面对喜欢的女孩,想要展现自己的优秀帅气的一面,却总是失败,明明很努力,最后却没有得到一个很好的结果这样的故事。故事的后半段,查理被喜欢的女孩选为交换日记的对象。查理询问:“为什么会我选择作为交换日记的对象?”那个女孩回答道:“因为你一直都很温柔啊”。

「そのシーンを観て、たとえ結果が出なくてもちゃんと過程を見てくれている人がいるんだと気づけたというか。誰も見てないところでしていた努力がちゃんと相手に伝わっている。そういうことに凄く感動しました。誰しもうまくいかないことは日々ありますけど、努力したことや誠実にやったプロセスが評価されてると思ったら嬉しい気持ちになれたんです。結果が出なくても落ち込まなくていいんです、頑張ったことはきっと誰かが見てくれているんだと信じます」

仓科加奈:看到那个场景时我意识到,即便没有得到满意的结果,也会有人关注到付出的过程。在别人没有注意到的时候,也要把自己做过的努力好好地传达给对方。这样的情节使我非常感动。不管是谁都时常地会遇到不顺利的情况,实实在在地努力付出的过程如果能够得到评价,那么心情会变得很高兴。得不到结果也不用垂头丧气,我相信努力过的事实一定有人会注意到。

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